株主優待は企業にとってコストになる

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1流の投資家になりたければ「様々な視点で物事を分析する能力」を身につけなければいけません。


出典 claudiofocchi.com

投資家として活動しているとどうしても視点が「投資家寄り」になってしまうのですが、これは本当に良くないです。株式投資で儲けたければ相手の立場に立って物事を考える癖をつけなければいけません。

 

例えば株主優待。

 

株主優待は重要なインカムゲインとして計算することができますが、投資家視点しかない人間は「株主優待の充実度」という点だけを意識して物事を考えます。要するに「株主優待が充実している株が良い株だ!」という発想しかないのです。

 

これはちょっと厳しい。

 

私が優待株を買う場合、株主優待の質や使い勝手も重視しますが「企業が株主優待をプレゼントすることによってどういうメリットが生じるのか?」という点も考えます。

 

企業は利益を追い求める存在でしかないので、自社にメリットが生じない行動は取らないのです。

 

株主優待だってメリットがないと判断されたら廃止されることは多々あります。

 

大抵の企業は「個人株主の増加・会社のファンを増やす」という目的で株主優待をプレゼントしています。しかし、株主優待は企業にとってコストでしかなく、株主優待を配布するだけの財力がないと株主優待を維持することはできません。

 

例えば関門海(3372)

 

関門海という会社はフグ料理を提供するビジネスを行なっていますが、関門海は「フグ狙いの株主」にとって人気のある株でした。関門海の株を保有しているだけでタダでフグを食べることができるので、個人株主からの人気が滅茶苦茶高かったのですね。

 

しかし、関門海は株主優待を廃止しました。

 

廃止理由は単純で「業績の低迷と財務状態の悪化が原因で株主優待制度を維持することができなくなった」のが真実になります。

 

要するに株主優待制度を維持するのはコストが発生するので、財務状態が悪い会社の株を買って株主優待を狙うのはお勧めできないのです。

 

財務状態や会社の経営状態を無視して株主優待狙いの投資を行なうのは愚策です。優秀な投資家は「株主優待の廃止リスク」も総合的に分析した上で株を購入するのです。

 

能力が低い投資家は「この株主優待を手に入れたら家計が楽になるよね!」という視点でしか株を分析していないから株式投資で負けるのです。

 

カゴメ (2811)はどうか?


カゴメは個人投資家からの人気が高い優待株として有名ですが、カゴメの株主優待は廃止されるリスクが低いです。トマト加工品販売企業として活躍している実績は素晴らしく、2012年から2014年にかけて黒字経営を維持している安定企業です。

 

更に自己資本比率は55.7%で財務状態も悪くないので「優待狙いの投資を行なうのにカゴメは最適」だと判断することができます。

 

 

しかもカゴメの株主優待は「自社商品」です。

 

自社商品の株主優待の利回りは「販売価格」で利回りが計算されていますが、自社商品をプレゼントしている会社は株主優待のコストが低いのです。

例えば今は缶コーヒーが1本130円で販売されていますが、普通に考えて企業が缶コーヒーを1本130円で製造しているわけではありません。1本70円前後で売られていることも多々あるため、缶コーヒーを製造する費用はもっと安いのです。

 

そのため、「自社商品を株主優待でプレゼントした場合、売値で株主優待の利回りを出せるけど、実質的に製造コストは売値より低いので高いコストパフォーマンスを維持して株主優待を配布することができる」のが真実になります。

 

だからカゴメの株主優待は廃止リスクが低いのです。

 

常識的に考えて「カゴメの1000円相当の自社商品」が本当に1000円の価値があるわけではありません。企業からすれば「自社で生産している商品は売値が1000円でも、実際はもっと安いコスト」になるので自社商品の株主優待は廃止されにくいのです。

 

勿論、これも「黒字経営を続けていて財務状態が良い」という場合に限られます。

 

それに自社商品を株主優待としてプレゼントしていると「会社のファンを増やす効果が高い」ので、費用対効果を計算しても自社商品の株主優待は非常に効果的なんですね。

 

長期投資狙いの個人投資家を増やすことができるので株価を安定させることも可能です。

 

最近はクオカードやお米の株主優待が流行っていますが、これらは「自社商品のファンを作る」という目的を達していないので株主優待の廃止リスクも高いと思ってください。

 

業績が伸び続けている財務健全株だったら別ですが、それ以外の企業が無理にクオカードをプレゼントしても廃止される可能性は高いのです。

 

「株主優待は企業にとってコストになる」という現実を理解した上で、「なぜ企業は株主優待を配布するのか?」という点に注目することをお勧めいたします。

 

費用対効果で考えてリターンが大きいと判断された場合、株主優待は継続されます。

 

カゴメの株主優待が長く続いているのも「会社のファンを増やす」という効果が高いからです。


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