目先の効率を求めすぎる効率主義と時価総額世界一のApple(アップル)

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現在の世界時価総額ランキングの一位はApple(アップル)。

Appleの創業者は今は亡きスティーブ・ジョブズですが、Appleは「天才」の手によって世界で一番大きい時価総額企業へと変貌することができたのです。


出典 taisy0.com

ここで注目したいのが創業者であるジョブズの「非効率主義」です。

日本では効率こそが全てだと確信されており、効率を追い求める経営が最高だと讃えられていますが本当にそうでしょうか?

私は「効率を求めすぎた非効率」があると多々感じており、効率を求めた結果、非効率になってしまったというパターンが非常に多いと実感しています。

これは新たな製品を生み出す業界によくある特徴になりますが、ゲーム業界やweb業界は新たなサービスを提供するのが大切になります。新製品、新サービスを提供するにあたって納期や効率という概念は無視することができないものですが、この二つの概念にとらわれすぎて非効率になっていることが多々あります。

具体例を出しましょう。

日本企業の時価総額ランキング31位であり、日本を代表するゲーム企業の任天堂(7974)。任天堂はマリオやスプラトゥーンといったゲームを販売して利益を得ている会社ですが、任天堂の商品は「効率」にこだわっていないのが特徴です。

例えば任天堂がかつて販売した『ヨッシーアイランド』というゲームはミニゲームが沢山詰まっています。


このゲームはステージをクリアしたらミニゲームをプレイすることができ、各ステージにミニゲームが配置されています。

効率、納期という概念を重視するのであればミニゲームは必要ないでしょう。なぜならばミニゲームという存在はゲーム本編とは全く関係なく、ミニゲームがなくてもゲームを進行することは可能であるからです。

しかし、この発想そのものが「効率主義に縛られた非効率な発想そのもの」であり、本質を見失っている証明になります。

ゲームをプレイするのは誰でしょうか?

当然のことながらゲームを購入したユーザーです。

ゲーム会社の目的はゲームを販売して利益を得ることですが、ゲームを販売して利益を得たければ「ユーザーを楽しませる必要がある」のです。

そこで目先の納期や制作費に目を向けるから低クオリティゲームリリースの原因になり、結果的にユーザーが喜ばないゲームが誕生します。

これはゲームだけの話ではなく、他の業界にも存在します。

有名な話の一つとして、「ハーバード大学で経営を学んだ息子の話」というものがあります。

とあるホットドッグ屋さんはホットドッグを販売して好評を勝ち取っていました。このホットドッグはソーセージが沢山詰まっており、値段も安くてソーセージも大きいことから地元では沢山の人気を集める名物ホットドッグでした。


出典 ii-fake.com

ホットドッグを販売していた父は、ある日息子にこう言われます。

「お父さん。今のホットドッグは非効率の塊だ。経営の基本も何も体現されていない。いいかい? 現代の経営で大切なのは効率だ。できるだけ利益率を高めて効率的な経営を行うのが現代ビジネスの基礎になるんだ」

ホットドッグだけを販売してきた父親は、息子の言っている意味が分かりませんでした。しかし、父親は黙って息子の話を聞きます。

「ハーバード大学で経営を学んだ僕がアドバイスしよう。まず、今のホットドッグは無駄が多いから改良すべきだ。具体的にはソーセージの量を小さくする。そうすることによって利益率は確実に上がるし、利益も出しやすい商品となる。薄利多売は強者の戦略であり、資本弱者が取ってはいけない戦略なんだ。今のままでは間違いなく店は潰れるね」

父親は驚きました。

今までホットドッグだけを販売してきた父親です。店を潰れるような大事になるとは思っても見なかったので、ハーバード大学を卒業した息子の言うことを聞くようにしました。

結果、店は潰れました。

店が潰れた理由は単純明快。

今まで最大のウリだった「ソーセージの大きさ」が喪失し、目先の効率だけを求めた利益至上主義のせいで「お客様が喜ぶ商品」を提供することができなくなったからです。

客足は途絶えました。

最初は儲かっていたのですが、リピーターが消え去って店が潰れたのです。

父親は店が潰れた後にこう言います。

「頭の良い息子の言うとおりだったよ。息子は店が潰れると言っていたけど、本当に潰れてしまった」

これは笑い話ではありません。

効率を求めた非効率。これは多くの企業で直面している現実であり、本質を見誤って効率主義に走ったが上に赤字を出したり倒産したりする企業は多々存在するのです。

世界一の時価総額ナンバーワン企業を築いたスティーブ・ジョブズは非効率の塊でした。

自分の気に食わないデザインだと商品をぶち壊したり、生産ラインを乱したり好き放題していたジョブズ。しかし、ジョブズのこだわりが世界一の商品を生み出し、結果的にAppleに大きな売上と利益を与えたのは確かな事実です。

短期的に見て非効率であったり、目先の効率だけを求めて沈む会社が多い中、私達が投資家の立場で再評価しなければいけないのが「本質を求めているか?」ということです。

本質を見失っている効率主義は潰れる元凶。特にユーザーを楽しませることを第一にしていないゲーム会社、娯楽産業などは投資する価値はありません。

効率主義は毒にも薬にもなります。一見非効率に見える行動こそが後の発展に繋がることもよくあります。時価総額一位のAppleは非効率な行動を通じて世界ナンバーワン企業の栄誉を勝ち取ったのです。


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