クレーマーが接客業のレベルを上げているのではないか

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私はクレーマーという人種が本当に嫌いです。

そもそも人様に対して威張り散らすのはとてもダサいと考えています。


そのため、外食をしたり買い物に行ったりしたときも店員さんにクレームを言うことはほとんどありません。例え接客態度が悪くても文句を言うことはありませんし、気に食わなかったらその店に行かなければ良いだけの話です。

「客という強い立場を利用して店員さんに威張るのって相当ダサい行為だし、そんなことをしても自分の器量の狭さを露呈するだけで、恥ずべき行動を取っているのにそれに気づいていないところが恥ずかしいよね」と考えているのが現在の私です。

 

大体日本人はくだらないことにクレームをつける人が多すぎる気がします。

 

接客態度が悪いのが理由で文句を言ったり、吉野家で牛丼が出てくるのが遅いという理由で外食店舗で働いている人を怒鳴り散らしたり、なぜそこまで心に余裕がないのかと驚くことが頻繁にあります。(大体接客態度を気にするなら高級レストランに行けよ……)

私は外食産業で働く厳しさを理解しており、外食ビジネスそのものが「人件費を削減しないと利益を出すのが難しい業界」に属しているのを知っているので、外食店舗で働く人々に文句を言うことはありません。

料理が出るのが遅いのは仕方ないでしょう。

お客さんが沢山来てて、店員さんの数も少なければその分料理を出すスピードも遅れます。

「だったら店員の人数を増やせば良い」という意見もありますが、スピードを重視するために店員を増やしたらその店舗が赤字になってしまい、結果的に店が利益を出すことができなくるので「少しくらい客も我慢するべきだ」と考えています。

 

しかし、最近強く思うのですが、全て私のような人間になってしまうとそれはそれでダメなのではないかと実感しています。

 

例えば日本は小売業や外食産業のサービス力が非常に秀でており、「お客様に対してバカにした態度を取ることはほとんどない」のが現状です。

小売業のサービス精神やお客様重視の経営方針は本当に秀でていると思うのですが、日本のサービス業のレベルがここまで高いのは「クレームを言いまくるお客様」が沢山いるお陰なのかもしれないと思えてきました。

お客様が全員クレームを言わなければどうなるでしょうか?

人がお互いの立場を尊重し、相手のことを気遣って文句を言わないのは非常に素晴らしいです。しかし、「厳しい意見を述べるお客様がいらっしゃるから、日本のサービススキルはここまで向上した」という風に物事を捉えることも可能です。

私みたいに店員さんに文句言わない人間ばかりになってしまうと、サービスの質が劣化する可能性もあります。

牛丼屋やコンビニではお客様に対して必ず敬語を使い、買い物をし終わったら「ありがとうございました」という文化が定着しています。

 

「ありがとうございました」と言わなければクレームの元になりますし、「文句を言いまくる人が多いから過剰なまでにサービスが発達した」と捉えることもできます。

 

クレーマーは鬱陶しい存在であるのは事実ですが、逆に私みたいに「何も文句を言わない人間」ばかりになってしまうと自社の弱点を知るのが難しくなります。

日本人はその場でクレームを言うことはあまりなく、不安を感じたら後から電話で文句を言ったり、ツイッターで店の愚痴を呟いたりすることが多々あります。要するに「店のサービスに不満を感じても直接言うのではなく、別の方法で不満を告げるパターン」が多いのです。

店の立場で考えれば、見えないところで悪口を言われるくらいなら直接クレームを言ってもらって「改善点」として活用するのが上策になります。

 

直接クレームを言ってくれるお客様がいるから、日本のサービス業や接客業はここまでレベルが高いのではないかと分析しています。

 

そう考えるとクレーマーも一概に悪と言えるものではなく、「店や会社に対する不満を直接告げてくれるありがたい存在」だと考えることも可能です。

私が仕事をしているときは「クレームをつけてくださる人はありがたい。クレーム内容をよく吟味し、改善するために役立てるべきだ」と考えていますが、一方、プライベートになると「店員さんだって頑張っているんだからそんな文句言うなよ……。少しくらい我慢しろよ」と考えます。

 

クレームが会社にとってありがたいのは確かな事実です。(ありがたいと思わないで、改善活動をしないダメな会社も存在しますが)

 

そもそも完璧な会社というものは存在しておらず、どの会社も何かしらの欠点を抱えています。その欠点を直接指摘し、改善材料として提供してくれるクレーマーは「会社にとって大切にしなければいけない存在」だと思っています。

私が「改善重視」の会社を好んで株を買うのは、お客様の声に真摯に対応しているからなんですね。

クレーマーの意見も聞き入れ、改善を続ける企業は「お客様満足度」を高め続けることができるので持続的成長が期待できます。

クレーマーが会社のファンになることも多々ありますし、クレームは「多くの人が思っていたことを代表して言っている」という風に考えることも可能です。

 

そのため、「プライベートな立場だとクレーマーは大嫌いだけど、仕事でクレームを受けたときは感謝するべきだ」と考えているのが私という人間です。

 

経営者の立場にいる人が「お客様の悪口」を言っちゃいけないんですよ。

お客様がサービスを利用してくれるから利益が出るのです。クレーマーと言えどもお客様はお客様であり、会社を経営している立場がクレーマーを軽視するのは絶対に行なってはいけないと思っています。

ただ、「その考えを逆手に取って、客という立場を利用して文句言いまくるのはダサいですよ」とも思っています。

クレーマーが接客業のレベルを上げているのであれば、クレーマーというのは必要悪だと思います。

今後、伸びる小売業やサービス業を見極めたければ「クレーマーにも真摯に対応し、改善活動を続けている会社」を見つけるのが賢明になります。顧客満足度が高い会社は長い間経営を維持することができるので、資産株として保有する価値も高いのです。


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