弱者の戦略と強者の戦略が両方通用するゲーム業界

LINEで送る
Pocket

雑魚と強者が互いに交じり合って戦う業界と言えばWEB業界が有名ですが、ゲーム業界も負けず劣らず夢のある業界です。

WEB業界ではGoogleを中心とした大企業がインターネットの世界を牛耳っており、その下に幾多ものサイト運営者の姿が垣間見えます。WEB業界はまだまだ発展途上の業界であるため、雑魚も強者も生き残ることができるのが特徴になります。

ゲーム業界も非常に特殊な世界で、ファミコン時代のゲーム業界も今のゲーム業界も「雑魚と大手が別のフィールドで戦っている」のが特徴になります。

日本のゲーム会社最大手は任天堂 (7974)です。

任天堂はまさに「強者の戦略」を忠実に実施している会社であり、万人受けするゲームを制作して赤字経営から立ち直った古豪企業です。

最近の任天堂は『スプラトゥーン』というゲームを販売して大ヒットを記録していますが、これも任天堂お得意の「万人受けするゲームを販売する戦略」を発揮した結果だと言えるでしょう。


更に任天堂は本当に金を持っている会社であるため(自己資本比率86.3%。自己資本1兆超えの超リッチ企業)、一つのゲームに対する広告費も桁外れにでかいです。

スプラトゥーンがヒットを遂げることができたのも任天堂のマネーパワーを利用した広告戦略効果が功を制したからだと分析することができます。

こうしてみるとゲーム業界は任天堂のような「強者」しか通用しないように見えます。

しかし、そんなことは全然なく、任天堂は強者しか集まらない戦場で戦っているだけなのです。本当の弱者はソーシャルゲーム業界で戦いますが、任天堂は自社ハードのwii uを持っているのでそんなところで戦わないだけなのです。(スプラトゥーンをwii uで販売したのも、wii uを流行らせるため)

弱者が強者と対等以上に戦えるのがソーシャルゲーム業界でしょう。

ソーシャルゲームは最近は開発費が著しく上がっているので昔みたいに「軽く参入して軽く儲ける」というのは厳しくなってきたのですが、1000万円~8000万円の予算で制作できるソーシャルゲームは普通のゲームと比較すると低予算です。

しかも戦う相手が良い。

先ほども申し上げた通り、本物の強者は自社ハードを保有しているのでわざわざソーシャルゲーム業界に参入しません。先ほど挙げた任天堂が良い例ですが、任天堂はソーシャルゲームに参入していません。これは任天堂のプライドではなく、「自社のハードの知名度を上げたいからソーシャルゲーム業界に参入しない」のです。

最近はDeNAとゲームを共同開発する方向に進んでいるので情勢は変わっていると判断することができますが、基本的に強者はソーシャルゲームで戦わないのです。

だからソーシャルゲーム業界は勝ちやすく、有望なのです。

時価総額8兆円を目指しているgumi (3903)もソーシャルゲームが当たったことによって業績の急拡大を成し遂げました。


出典 www.projectdesign.jp

博打と変わらないようなビジネスをやって時価総額8兆円とかふざけたことを抜かして、結果的に赤字転落しているgumiに良い印象なんか全くないのですが、そんな会社でも上場できるのだからソーシャルゲームの「当たり」はでかいのだなぁと思います。

出版業界にも共通していることですが、ソーシャルゲームなんてただの博打の世界なんですよ。

当然ながら博打の勝率を上げるために様々な施策を取ることができます。が、どこまで言っても当たるか当たらないかの世界であり、ソーシャルゲーム業界自体が成長市場だから訳の分からない会社も生き残ることができているのです。

これが出版業界のようになったら続々と潰れるでしょう。

出版業界もソーシャルゲーム業界も本質は変わりません。当たるか当たらないかの世界です。

話を戻しますが、ソーシャルゲーム業界の魅力は「一発当たったらでかい」ということです。ガンホーはパズドラで飛躍的に業績を伸ばしましたし、赤字でオワコンと言われていたミクシィ (2121)もモンスターストライクの投入によって復活を遂げました。

元々ミクシィは国産SNSの「mixi」を主軸に運営していた会社ですが、mixiの需要が低下するにつれ業績が悪化し続けたミクシィを救ったのはソーシャルゲームだったのですね。

強者と弱者が違うステージで戦うゲーム業界は今でも凄い有望市場です。

ただし、当たればという条件がつくのですが。

手っ取り早く株価が10倍化する株を見つけたればソーシャルゲーム会社に注目するのが一番効率的です。結局ソーシャルゲーム業界はどこまで行っても当たるか当たらないのかの世界なので、本当に博打と本質は変わらないのです。

その博打に勝った企業がミクシィとガンホーということでしょう。(ガンホーはRPG要素とパズル要素を組み合わせたパズドラをリリースしたので、他のソーシャルゲームよりも成功率は高かったので、一概に博打と言い切れない部分があります)

 

特に有望なのが日本市場のソーシャルゲームです。なぜ日本市場かというと、現在の日本のソーシャルゲームはガラパゴス化しており、日本独自の市場ができあがっている状態です。

日本市場のガラパゴス化というのは「萌えキャラを使わないとソーシャルゲームを流行らせるのが難しい」という点であり、流行ったソーシャルゲームの大半は萌えキャラを使用しています。

ミクシィが繰り出した『モンスターストライク』もそうですし、ガンホーがリリースした『パズドラ』もそうでしょう。最近では『艦隊これくしょん』というゲームが流行りましたが、これも結局萌えキャラを活用したから日本市場でヒットを遂げたのです。


出典 gemacomi-infomation.blog.so-net.ne.jp

仮に艦これがただの艦隊ゲームだったら絶対に流行らなかったでしょう。

断言します。絶対に流行っていません。

外国ではこうはいきません。

そもそも外国は日本のように極端な萌え文化は広まっておらず、ソーシャルゲームのほとんどが萌え化するというガラパゴス現象は起きていないのです。結果的にソーシャルゲームでヒットを収めたければ「萌えキャラを使用しなければいけない」という法則ができあがってしまうのです。

しかし、これはゲーム開発会社からすれば悪いことではないのです。

艦隊これくしょんが良い例になりますが、あのゲームはレア度によって艦娘の登場確率が異なります。レアか否かという条件は特殊な技術を使っているからというものではなく、「いかに有名なイラストレーターを使用しているか、いかに有名な艦を使用しているか」という部分で決まるのです。

これは他のソーシャルゲームでもありがちな特徴になりますが、ソーシャルゲームのレアってイラストの可愛さやキャラの可愛さがほとんどを占めるのですね。

つまり、ゲーム開発側からすれば「有名なイラストレーターに絵を発注するだけで済むのでコストが安い」のです。

これが本格的なゲームを作ろうと思ったらそうはいきません。

イラストを外注するだけで多くの課金が期待できるレアキャラが作れる日本のソーシャルゲーム業界は非常に恵まれているのです。

そもそもレアキャラを作るのも制作という観点から見ると非常に簡単で、パラメーターを高く設定すれば良いだけです。

そのパラメーターも数字を動かしただけに過ぎないので、「イラストレーターに気合いを入れた絵を納品してもらい、パラメーターを通常キャラより高くする」という形でゲームを制作してしまえば簡単にレアキャラを作ることができるのですね。

つまり、課金の要になるレアキャラは全然制作費がかからないのです。だからガンホーはあんなに儲けることができたのです。(2014年通期決算の純利益は620億円)

去年流行った艦これだって同じ仕組みで、あれも大和だの武蔵だの史実艦の名前をデータとして入力し、他の艦娘より高い能力を設定して魅力的なイラストをつけただけです。そのため、費用対効果という意味で考えるとソーシャルゲーム業界は滅茶苦茶有望なのですよ。

 

日本のガラパゴス市場だと萌えキャラが求められます。

萌えキャラ中心のゲームだから一般ゲームの制作費より安く済む日本のソーシャルゲーム業界は経営という観点から分析すると非常に有望であることに気づきます。

が、猫も杓子も同じような萌えキャラ活用ゲームばかり開発しているお陰でゲームに独自性がなくなっています。私は間違いなくソーシャルゲームは廃れると予想していますが、今しばらくは「有望業界」として評価されるでしょう。

また、インターネットの普及によって小型ゲームの連発でも勝てるようになったのも注目点です。

これはソーシャルゲームではないのですが、低予算アプリを数多く開発しているイグニス (3689)に私は注目しています。


出典 www.green-japan.com

イグニスは数撃ちゃ当たる戦法でどんどん開発費がかからないアプリをリリースしているのが特徴です。代表作は『ネズミだくだく 』で、プレイしたら分かりますが個人でも制作できるくらい簡単な作りになっています。

イグニスは短期開発小規模アプリをリリースしまくって発展を遂げましたが、この戦略は弱小ベンチャー企業にも通用するのですね。

雑魚ベンチャー企業が任天堂のような広告費を投入して『スプラトゥーン』を開発しろと言っても無理な話です。

しかし、今のゲーム業界は「弱者でも勝てるように戦うステージがわけられている」ので、少ない予算で開発できるスマホアプリやソーシャルゲームなどで成り上がれる可能性は大なのです。

少なくともイグニスは小規模アプリの連続リリースによって広告料収入を得て成り上がってきました。任天堂のように大作をリリースする「強者の戦略」を採用している企業もいれば、イグニスのように「数撃ちゃ当たる戦法」を実践して成功を収めている会社も存在するのですね。

ゲーム業界は根本的にはただの博打と変わりない(しかし、博打で勝つ可能性を上げる要素は存在するため、その要素をゲームに取り入れれば勝率は上がる)ので長期投資には向いていません。

しかし、日本のガラパゴス市場で流行る「ツボ」を抑えており、パズドラのように「既存のシステムの組み合わせによる差別化」を成し遂げたゲームをリリースすれば流行る可能性は上がると考えることができます。

艦これなんて差別化も糞もないゲームですが、実際に流行っています。

艦これはゲームシステムも際立って良いわけではないのですが根本のウリがキャラクターなので、コンビニでキャラ商品を販売したりセガと協力してアーケードゲームを開発したりすることができます。

キャラクターで成り立っているソーシャルゲームは「当たったら派生型収入も期待できる」というのが本当に大きいのです。

そういう意味でも萌えキャラに特化しているソーシャルゲームは有望業界だと言えるでしょう。博打的な要素は拒めませんが、それでも一発当たった後の株価の上昇率は凄まじいものがあるのです。

根本的にただの当たるか当たらないのかのギャンブルであることは拒めなくても。


スポンサードリンク