「いない方が良い」と言われる人は一体どういう人間なのか?

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企業が衰退する法則の一つとして、「いない方が良い人間をたくさん抱える」というものがあります。

例えば東証一部に上場しているサニックス (4651)は太陽光バブルの波に乗って営業人員を増やしまくる戦略を実行しました。営業マンをとにかく増やして数で勝負し、太陽光発電設備を売りまくる大勝負に出たのですが、その戦略は見事に失敗して2016年3月期 1Qで17億5400万円の赤字を出してしまいました。


出典 www.ecohome.net

それ以前も人件費の増大によって赤字が続いていたサニックス。太陽光バブルが弾けたことによって「不要となる人材(つまり、営業マン)」を沢山抱えてしまったのが赤字転落の原因になります。

市場の変化や需要の低迷はどの業界にも起こりえることなので仕方がないのですが、ただ一つ確実に言えるのは「いない方が良い」という人間は確実に存在するということです。

いる、いらないの基準はそのときの状況によって変化します。

例えば会社の拡大を望むのであれば営業マンはいた方が良いですし、自社開発だけに専念したいのであれば営業マンは不要となります。つまり、いるいらないの基準は個人の考えや会社の方針によって異なるのです。

「いる人間」と「いらない人間」が明確になっている会社ほど強いです。

あまりこういうことを言ってしまうのもどうかと思うのですが、いらない人間というものは確実に存在します。いらない人間が敵に回る分には良いのですが、味方になってしまうと大変なことになります。具体的なことを述べると赤字が増える原因になります。

いらない人間は本当にいらないんです。

具体的に述べましょう。どういう人間がいらないのか。

例えば地盤ネットホールディングス (6072)の山本 強社長は次のように語っています。


出典 www.bngpartners.jp

>上場した途端、求人に対してそれまでの10倍以上の応募が集まるようになりました。そこで多くの人材を採用したのですが、いざ彼らが入社してみると、大きなギャップを感じるようになったのです。それまで当社に入社を希望するのは、チャレンジ精神旺盛な、ベンチャーマインドに溢れた人たちでした。それが上場以降はそうではなく、極端にいえば「上場企業で働きたい」という安定感を求める人が多くなってしまったのです。そのような人は入社しても当社のスピード感に違和感を覚えるのかすぐに退職してしまい、組織的にもやや混乱した時期がありました。その反省を踏まえて教育制度を見直し、新卒採用も開始。採用のあり方を再確認する機会になりました。

出典 http://job.j-sen.jp/visionary/president/article/165/

 

この発言を見る限り山本社長は「安定志向の人間はいらない」と主張したいことが分かります。

私が当記事で述べている「いない方が良い人間は確実に存在する」というのもこういう意味なんですよ。

例えば成長を目指しているベンチャー企業がいらないと感じる人材は、成長意欲がない人間です。成長する意欲がなく、安定ばかりを求める人間。こういう人間は確実に「いない方が良い人」に分類されます。

いくら給料が安くてもいりません。

逆に業績が安定している大企業の場合、変化や革新ばかりを求める人材は逆に「いない方が良い人間」になってしまいます。

勿論これは社風にもよりますが、せっかく安定した黒字経営を維持しているのにそれを変えようとする人間は「いらない」と判断されることが多々あります。

こういう人間は赤字会社の再建に向いていたり、早急な変化が求められるベンチャー企業に向いていたりするのですが、自分の活躍場所が異なるといらないと判断をくだされてしまうのです。

サッカーを見れば分かるのですが、現チームで活躍しているエースでも他チームに移籍したときに試合に出場することすらできなくなったということは多々あります。これは移籍したチームに「いらない」と判断をくだされているのと同じで、いらない理由はチームによって様々です。

それと同じようにビジネスの世界でもいらないと判断される基準は人や会社によって異なります。

例えば楽天 (4755)がいらない人材と認識しているのは「変化に対応できない人間」です。

これは私も同意です。変化に対応できない人間はいりません。楽天のこの方針はとても良いと思います。

また、渡邉美樹さんが社長を務めていた頃、ワタミ (7522)がいらない人間だと判断していたのは「ワタミの企業理念を理解しない社員」です。

渡邉さんが社長であったときのワタミは紛れもない成長企業でした。成長遂げることができた理由の一つとして、「いる人間といらない人間をしっかり決めていた」というのは大きいのです。

味の素 (2802)の現会長である伊藤雅俊さんは、いる人間といらない人間について次のように語ったことがあります。


出典 www.forbes.com

いる人間=自分の個性をどう役立てるか考え抜く人

いらない人間=社会に役立つという大きい志を持たない人 

成功している企業は、いる人間といらない人間の区別がしっかりついています。といいますか、成功している企業で「誰でも良いよー。人間は皆価値がある!」と言って誰でも受け入れている企業は私が見た限り一つも存在しません。

私が主張したいのは、「いらない人間の基準をしっかり定められている企業は強い」ということです。

日本人は和を重視する国民性がありますので、いるとかいらないとか捨てるという発想がとても苦手です。

「どんな人間にも価値がある」

「味方や仲間は多ければ多いほど良い」

「人脈は広ければ広いほど良い」

「全ての人達と仲良するのが良い」

はっきり言います。これらは全てただの理想論です。

出会いが大切という意見は私も否定しませんが、それ以上に「捨てること」が大切だと思います。なぜならば人間の時間は誰もが24時間だと定められており、いらない価値のない人間に時間を割くほど無駄なことはないからです。

話す意味がない人間は確実に存在します。

限りある時間という資源を加味したら「いない方が良い人間なんていない!」という意見は絶対に出てこないはずなのです。なぜならば価値を生み出さない人間と関わったところで何も生み出すものがないばかりか、時間という超貴重な資源が確実に浪費されるからです。

つまり、いない方が良い人間と関わるというのはマイナスなのです。

日産自動車 (7201)がなぜ経営再建を果たしたかご存知でしょうか? それはカルロス・ゴーンが徹底的に「捨てる戦略」を取ったからです。

いらない人材をリストラという形で捨てたから再建できたのです。これはゴーンの捨てる技術が秀でていた結果としか言いようがありません。

欧米式の経営や考え方が全て良いとは言いませんが、少なくとも「捨てることの大切さ」というのは学ばなければいけない要素であるのは事実です。

1日の時間や経営資源が決まっている以上、捨てるものができるのは当然なのです。むしろ捨てられないから経営がどんどん悪化している企業が多いことに注目してください。

人間同士の出会いや縁はとても大切です。しかし、「どんな縁も大切」というのは絶対にありえません。関わるだけ無駄な人間がいるのも事実です。

例えば先ほどの例だと、成長を望んでいるベンチャー企業に「安定志向の人間」が入社しても有効とは言えませんよね。そういう人は給料が安くても確実にいない方が良いです。なぜならば「もっと大きい会社になるぞ!」という風土を壊す元凶になるからです。

結局、1日の時間が24時間と決まっている以上、無意味な人と付き合うのは無駄だし何の意味ももたらしません。

そういう意味で「いらない人間の基準を定めている企業」はとても効率が良くて強いのです。

いる人間といらない人間の区別をつけている企業はとても成長スピードが速いです。更に言えば「どんな縁も大切にする! 自分と一度でも関わった人はどんな人間でも貴重だから平等に接する」という理想論は非常にどうでも良いのです。

1日の時間が限られている以上、それは不可能です。

いらないもの、捨てた方がいいもの。それらの基準が定まっている企業や人間が強いのは「効率良く資源を使用する」という意識があるからでしょう。(時間という資源や、お金という資源など)

いる人間、いらない人間をしっかり定義している企業に投資するのが投資家として重要となるポイントの一つです。

取捨選択の重要が迫られる現代で重視するべきなのは「捨てる能力」です。


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