共同経営は失敗することがほとんどであり、絶対にお勧めできない

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企業の際に絶対にやってはいけないのが共同経営です。

いきなり本音をぶっちゃけますと、私も弱い人間で、「自分一人で行動するより誰かと協力して物事を進めた方が上手くいく可能性が高い」と考えていた時期がありました。

その考えは決して間違いではないのですが、裏を返せば自分の能力を信じられないことに直結するんですね。

自分に自信がないから人の力を借りようとする。ビジネスに限らず何事においても人様の力を借りるのはとても大切なことですが、その事実と共同経営はまた別問題になります。

お恥ずかしい話ですが、私自身も共同でビジネスを行う際に何度も失敗してきました。


出典 white-tigers.org

詳細を明かすことはできませんが、結局共同でのビジネスや共同経営が失敗する最大の要因は「パワーバランスが崩れること」なんですね。

例えば最初はお互いの能力を評価して何か共同でビジネスを始めるとします。最初は大抵上手くいくのですが、「パワーバランスの崩壊」によってお互いに歪みが生じてしまうのです。

そのパワーバランスというものは簡単に言ってしまえば、「どれだけ役に立っているか」という部分です。例えば共同経営をする際は持ち株は50%。収益も50:50で平等に設定することが多いのですが、実はこれは絶対にやってはいけないことなんですね。

最初に報酬を50:50に設定するのは不公平さをなくすためです。

しかし、完全な平等は実際には実現不可能であり、必ずどちらかが損することになっているのです。

例えば仕事をする際もお互いに50:50の成果を保てれば良いのですが、絶対にそんなことはありません。片方が70の成果を出してもう片方が30の成果しか出せないということも多々あるのです。

そこから人間関係の崩壊が始まっていくのです。

70の成果を出している側からすれば、「こいつほんと使えねーな。俺の方が頑張っているし共同経営にしたのは失敗だったか」という気持ちが少なからず湧くんですよ。で、こういう感情が湧いてきた時点でもう実質的におしまいなんです。

なぜならば30の成果しか出せない人間は居心地の悪さを感じ、不愉快になるからです。

そもそも完全なる50:50という対等な関係を維持するのは不可能です。それは誰にでも理解できる事実ですが、共同経営という形にして持ち株も半分ずつ分配すると本当に厄介なことになります。

具体的に言ってしまえば、「てめーは何でこんな役に立たないのに会社の権利は半分も持っているんだ?」ということになってしまうのですね。

だから持ち株の割合が50:50というのは絶対にやってはいけないことなんですよ。そもそもベンチャー企業や中小企業の唯一の強みは「決断の早さ」であるのにも関わらず、その長所が共同経営によって失われてしまうのです。

何かを決めるときもいちいち相談しないと決められない。平等という名の鎖に繋がれた関係だから互いに関係に悪化することは多々あります。しかも共同経営なんて事実上会社に縛られなくちゃいけないため、「嫌でも共同経営者と顔を合わせ続ける日々」が続くのです。

だから人間関係が壊れることが多いのです。

お互いの性格は関係ありません。一方の性格が良かろうが悪かろうが壊れるものは壊れます。むしろお互いに言いたいことを言わず、相手の気持ちを尊重する人間ほど内部でストレスを溜め込むので共同経営は結果的に失敗することが多いのです。

逆に性格の悪い人間と性格の良い人間が共同経営したらどうでしょうか?

これも失敗することがほとんどです。なぜならばこういう関係の場合、「性格の良い方が性格の悪い人間に妥協し、譲歩する」という展開になるからです。

「それの何が悪いの?」と考える人がほとんどだと思いますが、こんなのは悪手中の悪手なんですよ。

譲歩している時点でパワーバランスが崩れているんです。そもそもいくら性格が良くてもいつまでも譲歩し続けることはできません。なぜならば「共同経営」という形を取っている時点で、自分にも相手にもお互いに利益を上げることを望んでいるからです。

そのため、譲歩にも限界があります。

いつまでも譲歩し続けたら性格の良い人間は全く儲からないですし、ストレスも溜まるばかりです。

譲歩してもダメ、50:50の関係でもダメ。50:50の利益を得たければお互いに50:50の成果を出し続けなければいけない。しかしそんなことはどのビジネスでも実質的に不可能であることを考えたら、共同経営の難しさがよく分かると思います。

共同経営や共同ビジネスなんて幻想なんですよ。

少なくとも私は自分のこれまでの経験から強くそう思いました。いくら性格が良い相手でもパワーバランスが保たれていない時点で絶対に歪みの種ができあがります。その種が大きくなればなるほど人間関係は修復不可能なものとなるのです。

そもそも「この人がいないとこの事業はできない!」という時点でダメなんです。

全自前主義を採用しろと言いたいわけではないのですが、「この人がいないとダメ」という時点で弱者なんです。つまりその人がいないとビジネスが成り立たないことになるため、何かしらの理由でビジネス上の依存相手が消えてしまうとあっという間に崩壊します。

つまり、共同経営は様々なリスクを高めるのがデメリットなのですね。

人間関係やお互いの意識の差、埋めることのできないパワーバランス(貢献度)などがそれに当たります。

いちいち意思決定する際に話し合いしたり確認したりするのも「スピード感」が圧倒的になくなるので痛い。

私個人の意見としては共同経営、共同ビジネスなんて絶対にやってはいけないと思っています。

本業とは別で共同ビジネスをやる形なら良いと思いますが、全力を注いでやらなければいけないビジネスは絶対に共同でやってはいけないのです。必ず方針で揉め、パワーバランスの崩壊によって溝が決定的なものとなります。

株を50:50で持ち合うなんて究極の愚策です。

51:49ならまだ良い。50:50なんて揉めたときに解決するのが本当に難しいですし、そもそも過半数の株を手放している時点で「切りたくても切れない関係」になっているので自由度が飛躍的に低下するんですよ。

ベンチャー特有の強みであるスピード感がなくなり、パワーバランスの乱れによってほぼ必ず崩壊する人間関係。この二つのデメリットは致命的なものです。人間関係が崩壊すればお互いにアイデアを出しあうのも厳しくなりますし、そもそもトップ二人が仲違いしている時点でその組織は絶対に腐っていくのです。

カヤック (3904)は異例中の異例なんですよ。


出典 www.kayac.com

上場企業のカヤックは三人の友達で起業したというエピソードがありますが、三人とも仲違いしないで上場企業へ昇華したのは超がつくほどのレアケースだと思ってください。

カヤックが上手くいったのは、「成果を多く出している人間が成果を出していない人間のことを認め、報酬を減らさなかったから」です。

つまり優秀な者が妥協したからカヤックは共同経営でも上手くいくことができたのですね。

しかしながら、「優秀な人はそもそも優秀なんだから、共同経営で足を引っ張る人材(共同経営者)を抱えるくらいなら一人で起業した方が良い」という結論にたどり着くのです。

人材は上下関係を必ずつける形で雇えば良いのです。

そうしないと絶対に揉めます。

共同経営、共同ビジネスを通じてwinwinの形で利益を出すのは理想ではありますが、究極の理想論だと言えるでしょう。いらない立場の人間が発生したら必ず崩壊します。崩壊させたくなければ使える人間がいらない人間を許容し、許すしかないのです。

しかしそんなことをするくらいなら、「優秀な人間が最初から一人で起業した方が良いよね」という結論に至ってしまうので、共同経営の大半は上手くいかないのです。

どうしても共同経営で成功したければ、「お互いに違う長所を発揮する関係」でなければいけません。その長所というものも差別化できていなければ全く無意味なものとなってしまいます。

起業を考えている方、共同経営は絶対にやめてください。

投資家の方、共同経営のベンチャー企業に投資するのは非常にリスクが高いと思ってください。

共同経営のベンチャー企業は、「意思決定のスピード力が失われている」という致命的な弱点を抱えているのです。


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