M&Aを成功させまくる企業の特徴

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短期的で劇的な成長を遂げるのに必須条件となるM&A。

しかし、M&Aは必ず上手くいくとは限りません。M&Aをして失敗する企業も多々あるのですが、M&Aで成功する企業とある特徴が存在します。

M&Aと言えばソフトバンクが有名ですが、ここはあえてM&A全勝負けなしの日本電産(6594)に注目してみましょう。

日本電産は永守社長が率いる会社ですが、特筆すべきはM&A能力の高さ。なんと、全勝負けなしで全てのM&Aを成功させているのです。


出典 blog.goo.ne.jp

日本電産は合計46回のM&Aを行いましたが、全て成功。今年買収した企業もあるのでそれらの企業に関しては成功か否かを判断するのは早いのですが、少なくとも「M&Aで失敗したことがない」というのが日本電産の自慢です。

なぜ日本電産はM&Aで失敗しないのか?

それはM&Aに関して明確な条件を揃えているからです。

1.買収する相手はモーターなどの回るもの、動くものに限る

日本電産は精密小型モーターで利益を上げている会社です。つまり、自分たちの得意分野の企業にしか手を出さない方針を定めているのですね。

これは大変正しいです。

成功する企業ほど自分たちの領域をしっかり定めています。日本電産がM&Aで全勝しているのも「自分たちと関連のある事業のみ」と決めているからなんですよ。

その点、ダメな会社はあれこれ手を出すからダメですね。

ダメでどうしようもない会社ほど逃げの多角化をしたがるんですよ。例えば上場廃止になったオプトロムという会社は本業の光ディスク製造がダメになって鉄道専門チャンネルだの環境エネルギー事業だの色々始めましたが、まあやっぱりダメで上場廃止になりましたね。

これはオプトロムに限った話ではないのですが、ダメな会社ほどあれこれ手を出すんですよ。

なぜかと言うと本業が完全に斜陽だからです。本業が儲からないから他事業に活路を見出さそうとして必死に多角化を図る。「本業がダメだから別の事業をする」という発想そのものがダメだと思うのですが、これはほんと失敗する王道パターンです。

失敗するM&Aもこれに近いんですよ。

自分たちと関連のない事業を買収したって上手くいくのは難しいです。なぜならばその事業に関するノウハウがないからなんですね。

その点日本電産は素晴らしい。しっかり領域を定めてM&Aを実行している。さすがですね。

 

2.交渉は納得するまで行い、買収した会社は切り売りしない

日本電産は他企業をM&Aしてもその会社を高値で売るとかはしないんですよ。

つまり、完全に自社グループに加えるんです。

売却を見越して会社を買うのではなく、ずっと自社グループで利益を出してもらうことを目的としているんです。この方針がしっかり定まっているから買収された側も、「日本電産だったらしっかり自分たちを守ってくれる」と意識することができるんですね。

これはモチベーションを保つのに大切なんですよ。

買収された側だって同じ人間です。いきなり買収されてリストラばかりされたらモチベーションは下がるに決まっているんです。残った人間だって会社のために頑張ろうなんて気持ちはなくなってしまうんですよ。

日本電産は赤字企業を買収してもリストラをしません。

それが素晴らしいですね。リストラなんかしたら買収先企業の社員のモチベーションがだだ下がりですから。あくまでも日本電産は「社員の意識」を変えるのです。それで赤字企業がのきなみ黒字企業になるのですから大したものです。やはり人間は意識が本当に大切だと思いますね。

私はプロスペクトという会社に注目しており、2015年11月18日にIRを出しました。

平成27年11月17日 臨時株主総会開催日及び付議議案の決定に関するお知らせ

このIRの中に買収条件について書かれてあったのですが、これがまんま日本電産とそっくりなんですよ。

まず1つ目に買収領域が定まっている。

プロスペクトは金融や建設事業をメインに行っている会社ですが、M&Aの対象企業を総合建設業、金融証券業を営む会社として限定しています。

これが素晴らしい。

日本電産がM&Aで成功しまくった経歴を見たら分かるんですが、絶対に自分たちの範囲外の会社は買わないのです。プロスペクトも事業の関連性が認められてシナジー効果が期待できる事業のみでM&Aを行う方針を定めているのは素晴らしいですね。

・経営関与 ・ 取締役の派遣等は最低限とし、既存の経営を尊重する。

・出口戦略を想定しない。

経営関与に関しては日本電産と方針が違いますが(日本電産は赤字企業を立ち直すために永守社長がバリバリ関与する)、出口戦略を想定していないのは良いですね。

何度も言うとおり、出口戦略前提で買収されたらモチベーションなんて上がらないからです。

価格水準や案件規模は誰でも言えることなので結構どうでも良い内容なのですが、M&Aを成功させたければとにかく「自社と関連がある事業」じゃなきゃダメなんですよ。

畑違いの会社を買収して成功するのは相当難しいです。これは新規事業立ち上げでも同じことがいえますけどね。

プロスペクトはソーラー発電事業を立ち上げましたが、こんなのは事業というよりも資産運用の位置づけに近いです。だからこれは結構例外ですね。

M&Aの企業価値極大化を狙っているプロスペクトがこのような方針を出したのは大変好意的に思っています。日本電産の成功例をよく吟味した上で、本当にプロスペクトが極大化を図ることができるのか注目していきたいです。


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