個性を活かす放任主義経営の強み

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会社の業績を高める手段はたくさん存在しますが、私は「個性を活かす放任主義経営」に注目しています。


大抵のベンチャー企業は「トップダウン経営」を採用して、社長が陣頭指揮を取って戦略を決めるのが一般的です。ベンチャー企業は大企業と比較して「優秀な人材が集まりにくい」ので、トップが戦略を策定して成長路線を歩む必要があるのです。

しかし、トップダウン経営には限界が存在します。

現場を重視するビジネス(店頭販売業務など)は、現場の力が業績を左右します。社長が全て指揮を取るのは不可能に近いので、放任主義経営を実践して「社員の個性を活かす経営スタイル」を実現するのが理想になります。

「それは理想論だ。放任主義を貫いたら部下が何をするか分かったものじゃない」と考えている経営者も多いのですが、それは少し疑心暗鬼になりすぎです。

こういう経営者ほど「自分で方針を決め、トップダウン経営を通じて下の社員に指示を出す傾向」が強いため、社員が受け身体質になってしまいます。

受け身体質が企業文化として浸透すると「自分で考えて動く社員」を育成するのが難しくなるので、長期的に見るとマイナスに働くことが多いのです。

放任主義経営で成功を収めた会社はジュンク堂です。

ジュンク堂は丸善CHIホールディングス (3159)の完全子会社ですが、「放任主義経営」を実践して発展を遂げた歴史があります。

ジュンク堂代表取締役会長の工藤 恭孝(くどう やすたか)氏は、「お互いに良い環境で仕事ができる空間を作る」ことを意識しました。ジュンク堂は個性が強い社員が多いと語っており、「個性の強い人間はよく人と当たるから、あまり干渉しないようにする」と述べています。

つまり、「個性の強い社員を最大限に活かす経営術が放任主義経営」の強みです。

「最初から個性の強い社員を雇わなきゃ良いんじゃない?」と考える人もいらっしゃると思いますが、私はその意見に真っ向から反論します。

組織は「変人」を疎ましく思うものです。

組織の歯車となって社員を働かせて利益を出すビジネスモデルなら別ですが、差別化戦略を徹底して独自の強みを築きたければ個性の強い人間を積極採用すべきです。

私も大分個性が強くて人から嫌われることが多々ありますが、全く気にしていません。むしろ個性が強いのは「差別化戦略を成し遂げる重要要素」だと思ってください。

普通に考えて欲しいのですが、「無個性な社員」が集っている会社に魅力があると思いますか?

普通の社員ばかり集めても世の中を革新するビジネスは実行できないと思っています。

実力を最大限に発揮して利益を得たければ「個性を活かす放任主義経営」を実行して、個々の能力を引き出す経営スタイルを実践すべきです。

差別化に成功していない会社は「魅力がない」ので、業績が停滞することが多いのです。

ジュンク堂のように「社員の個性を受け入れ、売り場担当が直接仕入れを行なう社風」を築けば社員のモチベーションも高まります。社内にも活気が溢れるようになり、自分で考えて行動できる社員を育成することが可能になるので放任主義経営はかなり有力だと考えています。

「個性なんていらない。上司の指示通り仕事をすれば良い」と考えている企業に投資するのは避けた方が良いです。こういう会社は「自分で考えて動けない社員」を育成している可能性が高く、危機が訪れたときに対応できないのが問題点です。

私は未来工業(7931)の経営スタイルを高く評価していますが、未来工業も「社員の個性を活かす放任主義経営」を実践しています。常に考えるというテーマを定めている未来工業は、「上から下に押し付けない経営」を行なって増収・増益を維持しています。

上から下に作業を押し付ける経営術は古いです。

そんなことをしても社員のモチベーションは上がりません。「社員の個性を発揮する放任主義経営」を評価する時代が到来しているのです。

成長株に投資したければ、「どれだけ社員の個性を尊重しているのか?」という点に注目して会社を分析してください。

社員がイキイキと働ける会社は増収・増益が期待できます。重苦しい雰囲気が漂っている環境で利益を増やすのは難しいので、成長株が欲しければ「放任主義経営」に注目してください。


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