薄利多売戦略の問題点

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薄利多売戦略を簡単に解説すると、「1つの商品の利益額は低いけど、たくさん売って利益を出せば問題ない!」という戦略になります。


外食企業は薄利多売戦略を実行している会社が多いのですが、私は薄利多売戦略は大問題だらけだと考えています。そもそも永続的に繁栄したければ薄利多売戦略を採用すべきではないのです。

熾烈な価格競争に晒されているから、仕方なく薄利多売を実行する店舗が多いのが実情になります。

薄利多売戦略が広がると消費者が得をします。消費者の立場から考えてみれば薄利多売を取り入れている企業はかなりありがたい存在になりますが、投資家の観点から考えると全く別の評価を下すことになります。

薄利多売戦略の問題点は「商品をたくさん売らないと利益が出ない」ということです。つまり、客足が遠ざかって物があまり売れない状況が続けばその店は潰れます。下手したら業界自体が消えます。

薄利多売競争に晒されている業界が衰退を続けるのは、価格競争が激しくなるからです。

例えば回転寿司業界は価格競争が物凄く激しいです。

1皿100円の回転寿司はかっぱ寿司が始めましたが、最初は多大な利益を得ることができました。高級品である寿司が100円で食べられるインパクトは凄まじかったのです。

カッパ・クリエイトホールディングスは100円という価格を武器にして躍進を続けてきましたが、2013年通期決算で赤字を出してしまいました。

儲かっている会社のビジネスモデルは必ず他の会社が真似をします。かっぱ寿司の「1皿100円」という価格設定は非常に斬新でしたが、他の企業も100円寿司を提供し始めたので価格競争が始まりました。

現在は1皿88円セールも実施しており、どんどん寿司の価格が下がっています。こうなってしまうと企業は利益を出すのが非常に難しくなるので、自分で自分の首を締めている状態になります。今更高価格路線に踏み切るのはかなりリスクが高いのです。

株主も配当金を得るのが困難になります。株主は企業が利益を出していないと利益を得られない存在なのです。

業界自体が薄利多売戦略の虜になると、直接的な打撃を受けるのは企業です。100円がウリだった寿司も、他の企業が100円設定で勝負を仕掛けてきたら独自性がなくなってしまいます。価格競争は必ず限界が訪れるのです。

「うちの店は安いから儲かるんだ」と豪語している経営者もいますが、そういうビジネスは長続きしないと思ってください。もっと安価な値段で商品を提供する店が登場したら淘汰される運命に晒されているからです。

薄利多売であることをウリにするのは経営戦略上間違っていると私は考えています。

まだ規模の小さい会社が薄利多売戦略をウリにしていたら危険だと思ってください。

よほど優れたビジネスモデルを編み出して商品の原価率を下げているのなら別ですが、「大量生産や流通網の整備で薄利多売を成功させる」と豪語している中小企業への投資は避けた方が良いのです。

薄利多売戦略で生き残るのは最終的に大企業に限られます。

業界自体が安売り戦略に頼りきっている場合、その業界に投資するのは避けた方が良いのです。例えば居酒屋業界や牛丼屋などは価格競争が激しく、生き残るのが難しい業界だと言われています。

株式投資で儲けたければ「優れた商品を適正価格で売り出している会社」に投資することを心がけてください。この原則をしっかり守ると、株式投資で勝つ可能性が高まります。利益率が高い会社がなぜ強いのか分析することができるようになるのです。


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