売上至上主義はなぜダメなのか

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私が低く評価している経営戦略の1つに「売上至上主義」というものがあります。


出典 journal.rikunabi.com

会社経営、ビジネスを行う上で売上を重視するのはとても大切なのですが、売上だけが絶対な価値観になってしまうと、とてつもない大失敗をすることが多いのです。

東証マザーズに上場しているエナリス(6079)も売上至上主義が度を過ぎて粉飾決算に手を染めてしまいましたし、ベンチャー企業であったワイキューブも「利益を重視せず、売上を重視しすぎた」という理由で倒産してしまいました。

綺麗事抜きで話しますが、私は売上よりも利益が大切だと思っています。こういうことを言うと「売上が出たら利益が発生するだろ!」と勘違いする人も出てくるのですが、売上なんかいくらでも作ることができるんですよ。

例えば1ヶ月で300万円の売上を作ることなんか誰だってできます。今の私でもできます。

「じゃあやってみろよ」と言う人もいらっしゃると思うので簡単に解説しますが、適正価格が500万円の商品を仕入れて300万円で売れば良いのです。そうすれば300万円の売上が発生します。当然のことながら赤字は200万円です。

このように、「物を仕入れて適正価格より安い値段で売る」ということを繰り返せば売上なんていくらでも高くすることができるのですね。勿論、この方法では利益を出すことができません。

よくインターネットビジネスで3ヶ月で100万円の売上を上げるという謳い文句がありますが、あんなのは誰だってできるんですよ。利益じゃなくて売上ですから。100万円以上の広告をバンバンだせば売上を上げるのはとても容易です。

売上は確かに重要ですが、売上至上主義に走ってしまうと「利益よりも売上」を優先する傾向が強くなるため、先ほど解説した訳の分からない戦略を取ることもたまにあるのです。利益が出ないのにも関わらず、売上を確保するために赤字案件に手を出すのも同じです。売上なんて作ろうと思えばいくらだって作れるのです。

1番大切なのは利益。しかし、利益を出したければ適正な価格で物を売る必要があります。

で、利益を得たい場合、絶対にお客様本位の経営を実践しなければいけないと私は考えています。お客様がサービスに満足するから利益が生まれるのであって、お客様が嫌がることをしても利益なんか絶対に増えないのです。売上を増やすことは容易ですが、利益を増やすのはとても難しいのです。

売上至上主義を掲げている人は何か勘違いをしている気がしてなりません。

売上よりも利益の方が重要なのに、売上という数字に誤魔化されるのはなぜでしょうか。利益を上げたければ「お客様が喜ぶこと」を率先してやらなければいけないのに、売上至上主義に走ってしまうと「人様に役立つサービスを提供するから利益が得られる」という大切な原則を忘れてしまうのです。

私は売上! 売上!ばかり言っている企業は好きではありませんし、投資先として除外します。何度も言うとおり売上は本当に大切ですよ。

ただ、売上が上がり続けていても営業キャッシュフローがマイナスの状態が続いていたら全く意味がありませんし、見た目だけの売上の伸びをアピールして「ウチの会社は凄い!」と自慢する人間はどうかしていると思います。

リッカーという会社も売上至上主義を掲げて「企業体質を強化せず、ただ売上を伸ばす戦略」を取って結果的に倒産しました。

お客様からすれば企業の売上や利益なんてどうでも良いのです。お客様が求めているのは上質なサービスや満足できるサービスであり、お客様が喜ぶサービスが提供できなければ潰れてしまうのは誰でも分かる理論でしょう。

しかし、この誰でも分かる理論は実は多くの人が理解していないのです。会社経営やビジネスは数字で振り回される世界になるため、「人の喜ぶことをする、人が幸せになる手助けをする」という意識は忘れがちになります。

ただ、経営を続けている企業の大半はお客様本位の経営を実行し、お客様を喜ばせて利益を上げています。いつの時代も売上至上主義に走る会社はいずれ倒産するように思えてなりません。


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