再復活する企業は「捨てる技術」が優れていることが多い

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和と協調が重視される日本社会では、「捨てる技術」が軽視されています。

これは日本にありがちな文化になりますが、とにかく日本人はリストラを嫌います。リストラは悪、リストラする会社は社会に必要がないという形で非難しますが、私は効果的なリストラをする会社は大変高く評価しています。

中には「リストラをしないで赤字会社を再復活させている」と高く評価されている経営者もいらっしゃいますが、あれだって実情を見てみたら辞めさせているようなものですからね。

有名どころでは楽天 (4755)の三木谷 浩史社長はかなり捨てる技術が高い人だと感じました。


出典 www.alumni.hbs.edu

楽天はグローバル化戦略を実施している企業であり、社内英語公用化を実施した会社として注目を集めています。社内英語公用化に関しては様々な批判が存在しますが、これも私から見たら「体よく捨てるための制度」だと思うのです。

楽天は進化やスピードを物凄く強く求めている会社であるため、変化に対応できない人間なんかいらないのですね。今回社内英語公用化を実施したことにより、不要な人物を体よく切り捨てることができました。

不要な人間とは、変化に対応できない人間です。

英語が使えない人間はいらないというモットーを掲げている楽天は、変化に対応できない従来社員を「英語」という名のもとに捨ててきました。

社内英語公用化はグローバル社会に通用するための戦略という意味合いもあったと思いますが、「変化に対応できない無能な人間」を切り捨てるという意味でも役立ったのではないでしょうか。

再成長を遂げたり、再復活させたりする企業の経営者は捨てるのが上手いです。

伝説の経営者、本田宗一郎は以下のように述べています。

「もったいないようだけど、捨てることが、一番巧妙な方法だね。
捨てることを惜しんでいるヤツは、いつまでたってもできないね」



出典 mnky.jp

本当にそのとおりだと思います。

思えば日産自動車 (7201)を再建したカルロス・ゴーンも捨てる技術が秀でていました。ゴーンはコストカッターと呼ばれており、リストラを推し進めて人件費を削減して日産自動車復活を実現させたのです。

ゴーンが「捨てること」を実行しなければ日産自動車の復活はなかったでしょう。

日本では捨てるというのは「悪」というイメージがありますが、コストや資源が決まっている以上、いらないものはとっとと捨てるということをしなければ効率が悪くて仕方ないのです。

捨てて生き延びる道を選択するか。

捨てないで共倒れになるか。

どちらが本当に優秀なのかという話なんですよ。私はいらないものは積極的に切り捨てて拡大を目指す経営者を高く評価します。なぜならばいらないものはゴミであり、ゴミは捨てなければ意味がないからです。

勿論、理想を言えば何も捨てないで全て大切にするのも良いでしょう。しかし、一日が24時間と決まっている以上、限られた時間をどの方向に使用するのかはとても大切なことであり、ましてやいらないものにこだわるのは非効率極まりないのです。

優秀な人は捨てる技術が優れています。

捨てなければダメなんです。特に追い詰められている人間が悠長に「皆で仲良くやっていきましょう!」なんて言ってられる立場ではありません。そんなことをしているから状況が改善しないのであり、本当に追い詰められた企業が取るべき行動は「捨てること」です。

私は楽天はとても優秀な企業だと思っていますが、楽天の何が優秀かって三木谷さんが凄く頭が良いから捨てる技術が秀でているところなんですね。

「リストラしまーす!」という形で捨てるのはダメなんです。

それは捨てるのが下手な証拠。本当に捨てるのが上手い人は「体よく捨てる」のです。

例えば大手企業ではいらなくなった人材に対し、「非生産的で精神が病むような仕事」を与えて自主退職をうながします。自分からリストラするとなるとお金もかかるしイメージダウンにも繋がるので、パナソニックグループなどは追い出し部屋を作ったのでしょう。

ソース 精神的に追い込むリストラばかり‥「追い出し部屋」など解雇最前線の実態

個人的な意見を語ると追い出し部屋は捨てる技術に秀でているとは言えません。あまりにも露骨すぎるからです。

そうではなく、上手く捨てたければ楽天のように「変化に対応できない人間は不要」という形で大義名分を作るべきなのです。楽天は追いつめられる前にそういうことをしているから凄い。追いつめられてからリストラに走る企業が大半ですが、本当ならば追い込まれる前に行動しなければいけないのです。

綺麗事だけでは生きていけない現実社会で、我々投資家が高く評価しなければいけないのは「捨てる技術がある経営者」です。


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