「労働時間が長いから会社が儲かる」は嘘

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「利益を上げたければ人の何倍も働け!」と主張する経営者も多いのですが、こういう意見は時代遅れだと思ってください。

労働時間を長く設定して素晴らしい利益を上げている会社も存在しますが、逆に労働時間が短くても増収を続けている会社もあるのです。

重要なのは労働時間の長さではなく、「付加価値」であることに気づかなければいけません。


株を分析するときに間違った分析手法を取り入れている人が多いです。

例えば「この会社は労働時間が長く、サービス残業を通じて人件費を減らしているから成長性が高い!」と判断して株を買う人がいることに驚きを隠せません。

確かにサービス残業を強制したら人件費を減らすことはできますが、重要なのはそんなことではなく「付加価値が強いサービスを提供しているか?」という点です。

極端な話、全社員が1日16時間くらい労働していても付加価値の低い仕事では利益が出ません。付加価値の低い仕事とは、「誰にでもできる仕事」です。

誰にでもできる仕事でビジネスを行なっている会社は伸びません。

差別化に成功していないからです。

誰にでもできる業務はアジアや新興国に委託すれば人件費は安く済みます。「誰にでもできる付加価値の低い仕事」しかできない会社は価格競争に晒されて停滞する運命しか待っていないのです。

「労働時間が長いから儲かる」という意見は会社だけではなく、国レベルでも間違っていることが証明されているのです。

http://stats.oecd.org/Index.aspx?DatasetCode=LEVEL#

このサイトは経済協力開発機構(OECD)による様々な統計が載っているサイトになりますが、経済協力開発機構によると2012年のギリシャの平均労働時間は年間2034時間で全世界で2番目に労働時間が長い国となっています。

ギリシャと言えば財政赤字が続いていて一時期はデフォルト(債務不履行)の危機に晒された国ですが、意外にも労働時間は長いのです。

よく、「ギリシャ人は働かないから経済が停滞するんだ!」と感情論を述べる人も見かけるのですが、それは違うということが上のデータを見れば1発で分かります。

更に経済危機で騒がれているスペインの労働時間も調べてみましたが、年間の平均労働時間は1672時間でかなり高い労働時間を維持しているのが分かります。

EU先進国のドイツの年間平均労働時間は1397時間です。

経済大国として輝いているドイツよりも、ギリシャやスペインの方が平均労働時間は長いのです。このデータを見る限り、「労働時間が長いから豊かになる」という説は間違いであることに気づくでしょう。

ちなみに世界で1番労働時間が長い国はメキシコで、年間平均労働時間は2226時間です。メキシコも先進国ではないですよね。

「会社と国は関係ないだろ!」という意見もあると思いますが、本当に関係ないと思いますか?

東証1部上場企業のスタートトゥデイ(3092)は能力主義を貫いている会社で、1日の労働時間が6時間です。

たった6時間の労働ですが、スタートトウディは増収増益を維持して立派に成長しています。来期の決算も増益が予測されており、「労働時間が短い会社は儲からない」というのは嘘ということになります。

更に言えば日本一ホワイトな会社として有名な未来工業(7931)はサービス労働を課しておらず、年間休日数もとても多く与えているのにここ近年の売上高は拡大し続けています。

もちろん利益額も伸びており、自己資本比率は77.6%という素晴らしい財務状態を築いているのです。

こういう意見を出すと「スタートトゥディより働く会社の方が伸びるに決まっている!」という反論をいただくことが多いのですが、そんなことはないと断言することができます。

確かにスタートトゥディや未来工業以上に付加価値の高い仕事をして、労働時間が長ければ儲けることは可能ですが、付加価値の低い仕事を長く続けても儲かるとは限らないのです。

特に店舗ビジネスはそうです。

店舗運営ビジネスは労働時間を伸ばせば伸ばすほどランニングコストがかかります。店舗の電気代だったり人件費だったり、労働時間を伸ばせばそれだけ支出が増大するので、簡単に利益が上がるほど単純ではないのです。

大切なのは労働時間の長さよりも「いかに多くの付加価値を生み出せるか?」という点です。

労働時間が長くて素晴らしい付加価値を生み出せれば最高ですが、儲かっていない企業の大半は「低付加価値のビジネスモデルを築いているから、長時間労働に頼らざるをえない」という状況を作り上げているのです。

つまり、労働時間の長い短いは利益に直結するわけではないのです。

株に投資するときも「この会社は労働時間が長いから良いぞ!」と考えて投資するのは止めてください。労働時間が長くてもダメな会社はダメであることは既に証明されており、国レベルでも同様の事態が起こっているのです。

労働時間を伸ばさなければ利益を得られない会社は「ビジネスモデル自体に問題がある」パターンが多いので投資先として魅力ではないのです。

株式投資で儲けたければ、会社がいかに優れたビジネスモデルを築いているのかしっかり分析する必要があるのです。


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