由紀精密から学ぶ「強みを知る利点」

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あなたは、由紀精密という会社をご存知でしょうか。


由紀精密は上場している会社ではなく、従業員も20名しかいませんが、航空宇宙関連部品の量産や医療機器関連部品の生産などに取り組んでいます。

由紀精密を凄いところは強みを活かした経営を行なっていることです。

ビジネスの世界では独自の強みを活かせる会社ほど有利になりますが、自社の強みを明確化するのが難しいという現状が存在します。自社の強みが何か分からず、アピールポイントもないまま経営を続けても競合他社に敗れてしまいます。(または共倒れする)

自社の強みを知り、長所を生かした経営を行ない、お客様に「ウチの強みはここなんだよ」とアピールするのが重要になります。

実は由紀精密という会社は、強みが見当たらないことで悩んでいました。

由紀精密は自社の強みを見つけ、強みを活かした経営を実施したかったのですが、「由紀精密はどこが強い?」というお客様の質問に答えられなかったことがあります。

こういう会社は意外と多いのではないでしょうか。

差別化経営を行っている会社は差別化している部分を自社の強みとしてアピールすることができますが、由紀精密は下請け製造業として何ら強みを持っていないと思い込んでいたんです。

よほど独創的な商品を開発していれば別ですが、現状を分析すると大半の中小製造業は自社の強みが明確になっていない事実が存在します。

これはある意味仕方ないのです。

 

中小製造業というものは他の会社から部品生産などを受注する業務が主となるため、よほど特徴的な商品でない限り、自社生産した商品は他の会社でもつくれるのが難点になります。

由紀精密も中小企業の立場で製造業務を行なっていたので、自社の強みを明確化するのが困難でした。
自分でいくら考えても強みは見つかりません。

 

悩んでいたときに取った手段がお客様からアンケートを取ることでした。

要するに自社で考えても答えが出ないのなら、お客様に直接聞けば良いという手段を採用したのですね。

数十社のお客様から回答を頂いた結果、明確な答えを出すことができたのです。

当時の由紀精密は難しい製品をつくれるわけではなく、商品の値段も特別に安いわけでもありません。

しかし、由紀精密はお客様から「信頼性」を高く評価されている事実に気づいたのです。

由紀精密は納期厳守を徹底的に意識しており、頼まれた仕事に対して不良品を出さないで納期をしっかり守っていたことがお客様に高く評価されていたのです。


上記の様な評価を頂いた由紀精密は、次のように考えました。

「信頼性という部分を評価して貰ったのは今まで長い間お客様の信頼を裏切っていなかったからだ。長年続けてきた成果が実績として現れ、信頼性という名の強みを獲得することに繋がった」と由紀精密は解釈したのです。

この結果を真摯に受け止めた由紀精密は、航空宇宙業界への進出を決意しました。

今まで強みが全くないことで悩んでいた由紀精密でしたが、信頼性という長所を活かした結果、旅客機に搭載される部品を数多く製造することができるようになったのです。

由紀精密が100%のシェアを持っている部品も存在し、現在は「信頼性」という長所だけではなく、自社にしかつくれない商品を製造している会社として差別化戦略を実行しています。

私たちが由紀精密から学べることは沢山あります。

 

まず、企業独自の強みを発揮しないと自社が向いている分野が何なのか分からないという事実です。

由紀精密は信頼性という武器を活かした上で航空宇宙業界への進出を成功させましたが、何も考えないまま新規事業を起こしても成功する可能性が低いのは明確でしょう。

結局のところ、企業は独自の強みを発揮しないと存続することができないのです。

仮に何の特徴もないビジネスを行なっており、他社でもつくれる商品ばかり製造していたらどうなるでしょうか?

差別化戦略を実施していないので代わりはいくらでもいる状態です。

誰でもできる仕事しかしないと、最終的に価格競争が巻き起こって利益を出すのが難しくなります。

自社の強みを知らない=差別化できない。ということに繋がるのです。
私は当サイトを通じてしつこいぐらいに差別化の有用性を語ってきましたが、差別化経営というものは自社の強みを発揮しているから効果的なんです。

先程も解説した通り、由紀精密には100%のシェアを保っている航空機部品が存在します。

 

この部品製造は由紀精密にしかできないことだからシェア100%を維持できるのであり、他社でもできる仕事だったら高いシェアを維持することは無理です。

由紀精密の凄いところは、自社の強みを明確にした上で新規事業を発足したことです。

新規事業を立ち上げるのは珍しいことでありませんが、「いかに自社の強みを発揮できる新規事業を起こすか」という部分が問題になるのです。

 

事業の多角化は利益を分散する上でとても有効ですが、他社と同じようなビジネスをやっても絶対に勝つことはできません。

すでに参入を果たしている他社が存在するからです。

後発組が先発組に打ち勝ちたければ、先発組にはない強みを発揮しなくてはいけないのです。サービス力が秀でていたり、他社よりも価格が安かったり、商品に付加価値を加えていたり、何らかの長所を明確に提示しないとお客様から評価されることはないのです。

由紀精密という会社は「信頼性」という長所を徹底的に分析し、信頼性を活かせる事業に進出したから成功を収めることができたです。

株式投資で儲けたければ、会社の強みをとことん分析してください。

 

自社の強みを活かした経営を行なっている会社は本当に強く、ニーズが絶える可能性が低いので資産株投資に向いているのです。(例、未来工業など)

また、新規事業の成功率を分析したければ、「新規事業でいかに自社の強みを活かすことができるか」という視点を意識して株を評価することをお勧めいたします。


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