今後もM&Aを通じて企業価値の極大化を狙うと公言しているプロスペクト

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>上記(1)について、当社は、従来のマンション開発分譲事業単一の事業形態から、主にリスク
分散、収益力の増大等を目指して他業種(住宅建設事業、投資顧問業、建設業)をM&Aによりグループ化してまいりました。現時点における具体的な検討案件はありませんが、今後も同様の手法をもって企業価値の極大化を目指す方針です。豊商事株式の公開買付けもその一環ですが、具体的な手法は各々の事案に応じて適宜適切と考える手法で進めてまいる所存です。

出典 転換社債型新株予約権付社債に関する資金使途変更のお知らせ

ご覧の通り、今後もプロスペクトは多角経営を行い、M&AやTOBなどを通じて企業価値極大化を狙うと公言しています。

これは全然悪いことではなく、むしろ私は「カーティスのM&A能力」が高いと評価してプロスペクトの株を保有しているのでこの戦略は大歓迎なのですが、豊商事の件は本気で意味が分からなかったです。

豊商事のTOBに関しては失敗してもプロスペクトにとって不利ではないのは確かなのですが、私が懸念材料として抱いているのが「豊商事のTOBを実行したこと」です。

TOBに関しては一連の流れがどう考えても不自然で、豊商事が買収防衛策を繰り出したわけでもないのに失敗という形で終わってしまいました。業績連動型配当方針への変更はありましたが、これも買収防衛策と言えるほどではない策です。

それなのにも関わらずTOBが失敗したというのはかなり珍しいケースになるでしょう。

TOBで失敗した例を見れば分かるのですが、大半はホワイトナイトが出現したり大幅増配を決行したりして買収防衛策を取った結果、そのままTOBが失敗に終わったというケースが大半だからです。今回は特にそのようなことは起きなかったのです。

何が予想外って、TOBが失敗したのはともかくとして(日本の敵対的TOBの成功確率は極端に低い)買収防衛策をろくに取らない相手に対してTOBが失敗したという部分が気になるのです。

豊商事に対するTOBが失敗したからといってプロスペクトはダメだとか、カーティスは無能とか言うつもりはサラサラないのですが、何のためにTOBを実行したのかが意味不明なんですよね。勿論、様々な仮説を立てることはできますが、そのどれもただの仮説に過ぎず、決定力に欠けているのです。

あかつき、豊商事、プロスペクトの3社が手を組むとか、本当は豊商事を本気でTOBするつもりはなかったとか、豊商事と業務提携するためにTOBを仕掛けたとか、プロスペクトがあかつきをTOBするとか、豊商事に対して二段階TOBを実行するとか、様々な仮説を立てることができますが、そのどれもが決定力に欠けているのです。

そもそもあかつきとカーティスの間にはドミニクというキーマンが存在し、豊商事のTOBを行う前から「TOBを実行する」とカーティスが他メディアで公言していたため、初めから色々と今回のTOBはおかしかったのですが、結果を見ても買収防衛策を取らないでそのまま終了したという形になります。

プロスペクトはIRでソーラー事業について言及していますが、私はソーラー事業よりも「M&Aを通じて事業価値を伸ばす戦略」を貫いて欲しいと望んでいます。

不動産業で太陽光ビジネスもやるのであれば、いちごグループホールディングス(2337)と大して変わりありませんし、太陽光発電ビジネスを始めたところで魅力が上がるかと言われれば私はNOだと思っています。

ただ、プロスペクトは「やるといったことをやらない」というパターンがとても多く、そもそも太陽光ビジネスに力を入れるというのも個人的には信憑性がとても薄いのですが、M&Aを推し進める流れは維持して欲しいです。

結局、豊商事に対するTOB失敗はプロスペクトにとって得る物も少なければ失う物も少なく、非常に微妙な結果に終わってしまったのが真実になります。

TOBの失敗は過度に悲観する内容ではない(プロスペクトの損失はほとんどない)のですが、TOBを仕掛けた意図が分からないのがちょっと気になりますね。

本当に成功すると思って突然TOBを仕掛けたのか、成功しないと考えたからPAMIが途中豊商事株を売却し、TOB価格引き上げも実行しなかったのか……。カーティスは対応が早いだけなのか、きっちり計画を練るタイプなのか、その辺りが不明確なのがどうも個人的には気になる部分です。


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