ファーストリテイリング (9983)

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・上場市場 東証1部
・会社名  株式会社ファーストリテイリング
(ふぁーすとりていりんぐ 英称:Fast Retailing Co., Ltd.)
・証券コード 9983
・業種     小売業
・決算    8月
・設立年  1963年5月
・上場年  1994年7月


管理人評価B

【会社紹介】

ファーストリテイリングは株式会社ユニクロを子会社に持つ持株会社です。

2013年度はファーストリテイリングにとって快進撃となる年でした。売上高は1兆円を超え、大企業グループとして名を馳せたファーストリテイリングはグローバル化、グループ化、再ベンチャー化」の結果を数字で残すことができたのです。

グルーバル化作戦は見事に成功し、売上トップ10店舗のうち7店舗が海外店舗という偉業を達成することができたのです。


国内のシェアが確保できても海外進出に失敗している企業が多い中、ファーストリテイリングの経営戦略は全てにおいて上手くいっています。

ユニクロ事業全体の売上高27%が海外店舗によって生み出されており、営業利益の16%も海外ユニクロが得ています。今やファーストリテイリングは国内だけの会社ではなく、グローバルに躍進し続けている優秀企業として君臨しているのです。

経済成長が著しいアジア地域の出店が成功したユニクロが次に目指す土地はアメリカです。

2014年度はアメリカ進出を積極的に行なう予定で、アメリカ市場のシェア獲得を狙っています。

再ベンチャー化は大企業にありがちな驕りを忘れるという意味で有効です。ベンチャー精神で重要なのは「新しいことに挑戦する姿勢」です。

大企業になってしまうと保守経営の傾向が強くなりやすいのですが、ファーストリテイリングは挑戦心を忘れないで新カテゴリの服を作りたいと願っています。

ファーストリテイリングは順調な成長を続けてきた会社ではありません。

一時は減収減益の時期を過ごしたのですが、逆境に負けないで再成長を果たしたのが注目ポイントです。

会社は順調に発展するとは限らず、停滞の時期を迎えても再成長することが重要になるのです。2003年は売上高が下がってしまいましたが、それ以降は見事に持ち直して売上を伸ばし続けています。

今後も成長を続けるとは確信できませんが、停滞の時期を乗り越えたファーストリテイリングであれば次の苦境も克服することができるでしょう。ファーストリテイリングは普通の会社ではありません。

世界を代表する企業に発展を遂げたのです。

【ファーストリテイリングの主力ビジネスはユニクロ】

ファーストリテイリングと言えばユニクロです。ユニクロと言えば「安い値段で服が買える」のがウリの店舗ですが、ユニクロには安売りで儲けられる秘密が存在するのです。

ユニクロ事業で多額の利益を得ているファーストリテイリングは、独自のビジネスモデルを築いて躍進を続けています。

ユニクロは生産から販売まで一貫して行なSPAモデルを確立し、高品質・低価格商品の販売で利益を上げることに成功しています。

SPA方式で大成長を遂げている会社は他にも存在します。東証1部に上場しているジェイアイエヌ (3046)も独自のSPA方式で成長を遂げているのです。

ジェイアイエヌは市場最低、最適価格を武器に発展を維持している会社ですが、取り扱い商品はメガネです。ユニクロは衣服、ジェイアイエヌはメガネという全く異なる商品を販売していますが、両社に共通しているのは業界を革新するSPAシステムで高品質商品を安価販売しているという点です。

お客様は賢いので本物を見極める眼力に長けています。

ジェイアイエヌとファーストリテイリングが素晴らしい成長を遂げているのも、高品質商品が安く手に入ることをお客様が理解しているからです。SPA方式が機能していなければユニクロはここまで成長できなかったでしょう。

更に独自商品の開発にも力を入れているユニクロは、他社との差別化を図って競争力を高めています。ローコスト経営にも定評があり、人件費と賃料を見事に抑えてコスト削減を成し遂げて利益を生み出し続ける体質を築いているのです。

ユニクロの商品は「安かろう、悪かろう」ではありません。

素材を見ると分かるのですが、ユニクロは世界中から1番良い素材を利用して衣服を安価販売しているのです。ただ安いだけの会社ならここまで成長を遂げることはできません。

高品質で安いからユニクロは多くのお客様に支持されているのです。

1着数万円が当たり前のカシミアセーターを7990円で販売できるのも、SPA方式とローコスト経営が上手くいっているからです。世界中の素材メーカーとの交渉を通じて原材料を低めに抑え、大量仕入れを実現して良い商品を安く販売しているのがユニクロの強みです。

現状に満足しないのもユニクロの長所です。

ユニクロは妥協という言葉を知りません。改善を続けて更なる高品質商品を販売することに力を注いでいるユニクロは、年間7万件のお客様の声を活かして商品作りを行なっています。

お客様の声を取り入れるのは「お客様の求める物を提供するために重要」で、商売の基本となる原則です。ユニクロは基本をしっかり守りつつ、革新的なビジネスモデルを築いて躍進しているのが長所です。

ユニクロ戦略を真似しようと思っても簡単には真似できません。

まず大量仕入れを通じて高品質素材をローコストで調達しているのが壁になります。

資本力がないと大量仕入れは実現できませんし、商品が売れないと大量の在庫が残って在庫リスクが発生してしまいます。しかし、ユニクロは世界各地で自社店舗を構えているので大量に素材を仕入れても売り切れるだけの販売力があるのです。


アジアで圧倒的なナンバーワンになることを目指しているユニクロは、今後の躍進も期待できます。

企業が成長するために重要なのはビジネスモデルであると私は確信していますが、ファーストリテイリングのビジネスは他社が容易に真似することができないのです。

自社店舗だけではなく、ビジネスモデル自体が差別化に成功しているのでファーストリテイリングの成長はこれからも続くでしょう。

【ファーストリテイリングの財務分析】

ファーストリテイリングは売上高を伸ばし続けています。

2013年通期決算の売上高は1兆1430億300万円、前年度の売上高は9286億6900万円で、売上高を物凄く伸ばしたのが分かります。

営業利益は1329億2000万円、経常利益は1489億7900万円で純利益額は903億7700万円に拡大しています。1株益も887.1円まで向上しており、決算面は問題なしの超優秀企業です。

来期も売上高と利益額の拡大が期待できます。

海外事業が上手くいっているのが大きいです。

国内は天候不順の影響によって少し不振に陥った時期もありましたが、中国を軸に素晴らしい売上を上げているのが高ポイントです。65歳で引退することを明言していた柳井氏は、引退宣言を撤回しました。現在はファーストリテイリングを受け継ぐ後継者の育成に励んでいます。

財務面も優秀です。

自己資本比率は63.2%。有利負債額は274億2000万円で、ファーストリテイリングの会社規模と比較すると有利子負債はかなり少ないです。

【ファーストリテイリング株に向いている投資スタイル】

まず誤解がないように申し上げたいのですが、ファーストリテイリングは会社自体を評価すると間違いなくSランクです。

差別化されて容易に真似することができないビジネスモデル、優秀な決算内容、優良な財務面、全てにおいて素晴らしいクオリティを保っているのがファーストリテイリングです。

しかし、株として評価するとBランクになります。

「成長も期待できて財務面も優れているのに、なぜBランクなんだ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに数字を分析しても問題はなく、この先の成長も予測できるのですが現在のファーストリテイリング株には致命的な欠点が存在します。

それは株価が割高すぎることです。

予想PERは44.98倍、実績PBRは7.11倍で驚くほど株価が割高です。

確かにファーストリテイリングは優秀な株ですが、ここまで割高だと売却益を狙うのは難しくなります。一度成長が低迷したら一気に株価が下がる可能性も考えられるため、今が投資のチャンスかと問われれば私はノーと答えます。

更に言えばファーストリテイリングは1株3万9015円という驚異的な株価を維持しており、100株購入するのに390万円以上の投資資金が必要になります。

これだけの投資資金を用意できる人は少ないでしょうし、390万円投資しても100株しか手に入らないのは痛いです。売却益で大きく儲けたければ株数の充実が必須になるため、100株だとかなり物足りないです。

現在の配当利回りは0.77%。

インカムゲイン収入もあまり期待できないため、資産株として保有するのも微妙です。

会社や株の総合価値は相当優秀なのですが、能力値に優れすぎて割高になっているのがウィークポイントです。ファーストリテイリングは知名度も高いので市場から注目されやすいのですが、個人的な意見を述べれば少し過大評価されすぎな気がします。

確かに優秀な会社なので高く評価したい気持ちは分かるのですが、投資先として魅力かと問われれば微妙です……。

(上記の情報は2014年1月15日に記載しました)


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