・上場市場 東証1部
・会社名 楽天株式会社
(らくてん 英称:Rakuten, Inc.)
・証券コード 4755
・業種 サービス業
・決算 12月
・設立年 1997年2月
・上場年 2000年4月
管理人評価C
【会社紹介】
楽天はインターネット総合サービスを提供している会社です。
「世界一のインターネット・サービス企業になる」という目標を掲げている楽天は、インターネット業界で革新を起こした注目企業です。
1997年に創業した楽天ですが、創業当初は「インターネットで物を買う人間はいない」と批判されていました。確かにその当時はインターネットの素晴らしさに気づいている人は少なく、まだまだ発展途上の段階だったのです。
しかし、楽天は「商売に強い人が簡単に店を開ける仕組みをつくる」ことを念頭に置いて活動を続けました。その結果できたのが「楽天市場」で、今では多くの人が利用するインターネットショッピングサイトとして活躍しています。
小規模でも出店できる楽天市場は多くの事業者の利益を高める成果を上げています。
楽天市場の成功をきっかけに様々な分野に新規参入を果たしている楽天は、グループ全体で利益を上げる体質を築いているのです。
東北楽天ゴールデンイーグルスやヴィッセル神戸などを所持している楽天グループは、インターネットビジネスだけではなく多方面で強い影響力を与えています。
【ここが面白い! 楽天の成功理念】
楽天は独自の成功理念を築いており、「ブランドコンセプトを実現する」という明確な目標を定めています。成功への道をひた走る楽天は成功法則を意識して経営に取り組んでいるのです。
1,常に改善、常に前進
人間には2つのタイプしかいないと確信している楽天は、一人ひとりが物事を達成する強い意志を持つことが大切だと考えています。
現状に満足して自分自身に言い訳する人間と、何が何でも目標を達成するという意気込みに長けた人間。人間はこの2種類しかいないと考えている楽天は、後者の人材を有効活用して成長を遂げているのです。
この意見は的を射ています。
精神論になってしまいますが、現状に満足すると更なる発展を見込むことはできません。常に新たな目標を定め、目標を達成するために努力する方針を固めないと会社は成長しないのです。
2,スピード重視の経営
楽天の持ち味はスピードです!
「スピード!! スピード!! スピード!!」というコンセプトを定めている楽天は他社が1年かかる事業を数ヶ月でやり遂げるスピードを重視しています。特にインターネットビジネスは技術革新が著しい業界なので、変化に取り残される会社は淘汰されるしかないのです。
常に先陣を切ってスピードを意識し、急成長を遂げる楽天の成功法則は理に適っています。
【楽天経済圏という独自のビジネスモデルを形成している楽天】
楽天経済圏というビジネスモデルを築いている楽天は、『楽天スーパーポイント』を利用して成長を遂げています。
楽天会員は様々なサービスを利用することができるのですが、最大の特徴は『楽天スーパーポイント』を貯めて楽天経済圏の買物に利用することができる点です。
楽天グループが提供しているサービスに対して楽天会員は楽天スーパーポイントを使用することができるため、グループサービスを回遊的に利用して頂く仕組みを築いています。
この経営戦略は功を制しており、楽天会員になったお客様は楽天スーパーポイントを貯めて自分の好きなことに利用するという流れを築くことができました。楽天スーパーポイントは「楽天経済圏」でしか使用できないのがポイントです。
日本では8740万人が楽天会員になっており、インターネットユーザーの91%が楽天会員です。
この圧倒的なシェア獲得率は脱帽するしかありません。楽天市場の出店数も4万1933店(2013年9月末時点のデータ)と大変多く、インターネットを利用して快適に買い物できる環境を整えているのが強みです。
この強大な楽天グループを率いるのは代表取締役会長兼社長の三木谷 浩史(みきたに ひろし)氏です。
三木谷社長は時代を引っ張るカリスマ経営者として注目されており、新しい取り組みをどんどん打ち出しているのが特徴です。
例えば2012年に新規参入した電子書籍事業。楽天はカナダのKobo Inc.を買収して電子書籍事業に本格参入を果たしたのですが、個人的に電子書籍は今後伸びる分野だと思っています。
三木谷社長は先見性に溢れる人間です。
「インターネットで物が売れるわけがない」と言われていた時代から楽天市場を作った実績がありますが、これは三木谷社長の先見性の高さを証明するエピソードになります。電子書籍事業に関しても私は成功すると思っています。
紙から電子に切り替わるのは時代の流れとして必然です。
「紙じゃないと本を読む気にならない」と言っている人も多いのですが、インターネットを活用して文章を読む人がほとんどという現状を考えると、電子書籍は普通に成功すると思います。もう人間は「紙を利用しないで文章を読む」という文化に慣れているのですから。
社内公用語を英語にしたのも新しいです。
グローバル社会に対応するために「社内では英語しか使用してはいけない」という斬新な取り組みにチャレンジしたのは称賛に値します。
社内公用語を英語にしたことに関しては賛否両論が巻き起こっていますが、いつの時代も新しいことに取り組む人は批判されるものです。
三木谷社長に関しても様々な意見や批判が巻き起こっていますが、私は三木谷社長は疑う余地がないくらい優秀な経営者だと思っています。新しいことにチャレンジする積極性も良いですし、そもそもカリスマ性がなければ批判されません。
注目されなければ批判されることもありえないわけで、「批判されるほど社会から注目されている」というのはポジティブに捉えて良いのではないでしょうか。
様々な新しい取り組みを通じて会社を大きくしてきた楽天グループの実力は本物です。
【楽天の財務分析】
楽天は優秀な結果を残しています。
2012年通期決算の売上高は4434億7400万円、営業利益は722億5900万円でどちらの数字も前年度より向上しています。税前利益は715億1400万円、純利益は194億1300万円で素晴らしい結果を残しているのが分かります。
1株益も14.8円に拡大している楽天は成長性に長けた会社です。
来期も優良決算が期待できます。
話題になっている電子書籍事業は先行投資として判断するのがお勧めです。すぐに利益を出すのは難しくても、多くの人々が電子書籍を受け入れるようになったら大きな利益を上げる事業として活躍する可能性が高いです。ネット通販は楽天ゴールデンイーグルスの優勝もあって好調です。
カード会員も増加しており、様々な事業で良い結果を残しているのが現在の楽天です。
財務面は良くないです。
自己資本比率は9.8%。有利子負債は3575億8500万円で、自己資本は2828億7200万円です。自己資本額より有利子負債額が多いのは問題です。しかし、楽天は財務面を評価するのではなく、有利子負債を上手く活用して事業規模拡大を成し遂げている事実に注目すべきです。
【楽天株に向いている投資スタイル】
楽天は成長株投資に向いています。
他の戦略は全く合わないと分析しました。現在の予想配当利回りは0.22%で、配当利回りがかなり低いです。配当金狙いの投資を行いたい方は楽天株と相性が悪いです。
財務面も良くないので資産株投資を実行するのも不向きです。やはり楽天株はインカムゲインを狙うのではなく、売却益狙いの投資に絞った方が良いのです。
ただ、現在の楽天株は大きな欠点が存在します。
現在の予想PERは44.95倍で実績PBRは8.76倍です。データを分析しても分かる通り、株価がかなり割高です。売却益を得たければ「割安株に投資する」という法則を守るのが吉になりますが、楽天はかなり割高なので投資するのを躊躇してしまいます。
楽天の更なる発展に期待できる方は成長株投資を実行するのがお勧めです。
【楽天の株主優待】
12月の権利確定日に楽天株を100株以上保有していると以下の株主優待を受け取ることができます。
・100株以上保有で「東北楽天ゴールデンイーグルス」主催の公式戦観戦チケットを優待価格で販売、または抽選で招待
・100株以上保有で「東北楽天ゴールデンイーグルス」選手の直筆サイン入りグッズ抽選
・100株以上保有で8300円相当の自社サービスクーポン3種類(会員登録必須)
(上記の情報は2014年1月18日に記載しました)
楽天 (4755)
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