果物も株も「キズ物」を買った方が良い

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日本人は本当に見た目を気にしすぎる人種だなと思います。

 

近所のスーパーでは桃を販売しているのですが、そのスーパーは傷なしの綺麗な桃を2個入り250円で販売しており、少し傷がついている桃を2個100円で売っています。


私はこういうのを見かけると迷わずに「キズありの桃」を購入します。

 

なぜならその桃は傷がついている以外に何の欠点もなく、綺麗な桃と比較して味が劣っているわけではないからです。実際に昨日キズありの桃を食べたのですが、とても甘くて美味しかったです。

 

なぜキズあり桃がこんなに安いのか?

 

よく考えたら桃なんて食べてしまえば終わりであって、多少傷がついていようと問題ないはずです。別に桃を飾っておく必要はないですし、傷があっても美味しければ良いと思うのは私だけではないでしょう。

 

少し傷があるだけで2個250円の桃が2個100円まで値下がりするのです。

 

これは一体どういうことでしょうか。

 

これがブランド品なら分かりますよ。

ブランド物のバッグや財布は「見た目」がとても重要になるので、傷がつくと商品価値が落ちる理屈は理解できます。

でも、桃だぜ?

何度も言うとおり桃なんて食べてしまえば同じで、桃の本質的価値は「美味しいか否か」ではないでしょうか。贈答品であれば傷なし桃を買うのが普通ですが、自分や家族が食べるのであれば傷あり桃でも全然問題ないのです。(味は変わらないのですから)

 

「いや、その理屈はおかしい。キズ物が安くなるのは見た目が悪いだけではなく、腐りやすいからだ」という意見もあると思います。

 

そもそも桃なんて日持ちしない果物ですから、さっさと食べてしまえば良いのです。

 

長い間桃を保存しておいたら傷がついていなくても腐りますし、「果物は早めに食べるべき」というのは常識です。

 

「キズ物だから腐りやすい、見た目が悪い」というだけで味が変わらない優秀な果物が、ここまで安くなることに驚いています。

 

同じ値段なら傷がついていない方が良いに決まっているのですが、多少傷がついているだけで「商品価値が半値以下まで落ちる」のがおかしいのです。

 

優秀な投資家であり続けたければ、「商品の本質的価値」を見抜き、本質的価値が劣っていないのであれば安い物を買うべきです。キズ物でも綺麗な桃でも味が変わらないのであれば、絶対にキズ物を買った方が良いです。

 

株式投資でも同じことが言えるんですよ。

 

例えばPBRが1倍以下の株。

 

PBRが1倍以下になっている株は「経営者からすれば落第点を突きつけられているのと同じ」という格言が存在します。

 

要するにPBRが1倍以下だと「会社の価値よりも株価が安くなっている状態」になるため、その場で会社を解散した方が投資家は確実にリターンを受け取れる計算になります。

 

PBRが1倍以下の株は「会社の価値よりも株の価値の方が低い」という意味になるため、キズ物なんですよ。

 

桃で例えたら「本来の価値は2個250円なのにも関わらず、少し傷がついたから2個100円で販売されている」のと同じなんです。

 

「いや、株のキズ物はそれ相応の理由があるから割安なんだろ?」という意見もあると思います。

 

例えばベルーナ(9997)

 

ベルーナの現在のPBRは0.63倍で、会社の資産価値よりも株価の方が低い「キズ物」となっています。予想PERも7.75倍で誰もが認める割安株として君臨しています。

 

ベルーナは2012年から2014年にかけて黒字経営を維持しており、2014年には増配を決断しました。安定配当を支払う傾向が強いベルーナは自己資本比率55%を保っており、「割安安定株」として評価することができます。

 

ビジネスモデルを分析しても「50代から60代の高齢者を対象に商品を販売している」ので、高齢化社会の対応もしっかりできています。

 

株として分析するとベルーナはとても優秀で「割安性に長けている」のが良いのですが、現在のベルーナはキズ物の桃と同じです。(PBRが1倍以下だから)

 

なぜこのようなことが起こっているのでしょうか。

 

確かに、ベルーナはITベンチャー企業と比較して知名度が高い会社ではありません。

 

しかし、黒字経営を維持して株主に対してしっかり配当金を還元しているベルーナが本当にダメな株でしょうか。私はベルーナが優秀な株だと思っていますが、なぜか市場はベルーナを評価しないのです。

 

桃もそう。

 

桃だってキズ物も新品も味は変わらないのに、「キズ物になった瞬間商品価値が落ちる」から驚くほどの安値で桃を売ってしまうのです。投資家に必要なのは「良い物を安く買う能力」であり、株も果物も安くて良い株を買うのが1番良いのです。

 

私がおかしいのか世の中がおかしいのかよく分かりませんが、現在の株式市場は「安くて良い株」がゴロゴロ転がっている状態です。(逆もまた然り)

 

会社の資産価値よりも安く株が売られていることが多いです。

 

これが赤字企業の株だったらまだ理解できるのですが、「安定した黒字経営を続けて配当金を支払っている株でもPBR値が低い」という事態が起こっているため、こういう株を買い続ければ負けない株式投資を実践することが可能になります。

 

なぜ人は成長性が高い割高ベンチャー企業株ばかり買い求めるのか。

 

確かにベンチャー企業は「当たれば大きく儲けられる」のがメリットになりますが、外れたら悲惨です。特にバイオベンチャー企業は赤字続きの会社も多く、投資先として分析するとかなりリスクが高いことを知らなければいけません。

 

綺麗な桃を割高な値段で買うか、少し傷がついた桃を安い値段で買うか、これが投資スタイルの分かれ目になります。

 

私は絶対に綺麗な桃を割高な値段で買いません。株も同じです。優秀な株を割安で買うから勝ち続けることができるのです。

 

味が変わらないのに、少し傷がついているだけで叩き売りされる桃が不憫で仕方ありません。

 

この世の中はおかしいことばかりなので、「常識が全て正しい」という思考を捨て去ることをお勧めいたします。


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