セルフ・ハンディキャッピング

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セルフ・ハンディキャッピングとは、自分のプライドを守るために事前に言い訳をする行動のことを言います。

スポーツの試合前に「俺、最近全然練習してないからなー」という言い訳をする人がいらっしゃいますが、これはプライドを損ねないために自ら予防線を張っている証拠になります。自尊心を守るために「努力をしていないから、悪い結果が出ても仕方ないよね」と、周囲の人に自分の状況を知らせることをセルフ・ハンディキャッピングと言います。

平たく言えば、負けたときを想定した言い訳です。


セルフ・ハンディキャッピングは株式投資でもよく使われる言葉です。例を挙げてみましょう。

株に投資している人でたまに見かけるのが、「まあ、僕はこの株が上がっても下がってもどっちでも良いんですけどね……」と言ってどちらの結果が訪れても自分は問題ないというスタンスを貫いている人です。

確かに、株価が上がったら持ち株を売却して利益を確定させれば良いだけの話であり、株価が下がったら追加資金を投入して株を購入し、株の平均取得単価を下げれば良いのです。これをナンピン買いと言います。

しかし、本当に株価が上がっても下がっても良いと思っているのでしょうか?

上記の意見はもしかしたら自身のプライドを守るという心理が働いている証拠かもしれません。「私はどちらの結果が訪れても対応することができますよ」というスタンスを貫いているだけかもしれないのです。

セルフ・ハンディキャッピングの面白いところは、悪い結果が訪れたときを想定して事前に言い訳の材料を作っておくことです。

「最近、個別銘柄の分析をしてないからどんな株が値上がりするか分からないわー。こうなったら直感で決めるしかないな」

こんなことを言いだす人がいたら要注意です。

「最近、個別銘柄の分析をしていないから」という部分が自らハンディキャップを作り出している証拠になります。

つまり、

個別銘柄の研究をしていない=だから負けても仕方が無いよね

という図式に当てはめることができます。

この行動は全く合理的ではありません。株式投資で儲けたければベストを尽くして少しでも勝率を高めるための行動を取るべきですが、セルフ・ハンディキャッピングという行為を取ってしまうと自分のプライドを守ろうとするあまり、非合理的な行動を選択してしまうのです。

それは言い訳をするためにとても重要です。

もし、最善の努力を尽くして株式投資で負けてしまったらどうなるでしょうか? プライドはズタズタに切り裂かれ、心が折れる瞬間を味わうことになります。セルフ・ハンディキャッピングという行為が働くのは、自分のメンタルを守りたいという一種の自己防衛になるのです。

自己防衛したければ株式投資をやるべきではありません。


予防線を張って株式投資で負けたときの言い訳を作るくらいなら、最初から株式投資に手を出さない方が良いのです。株式投資で負けたときに1番被害を受けるのは自分自身です。プライドを守ることよりも「株式投資で負けて資産を減らした」という事実の方が、よほど心を傷つけるでしょう。

自分で逃げ道を作っている人は投資に手を出さない方が良いのです。株式投資で儲けられる人は失敗を認めることができます。失敗の原因を分析して、勝率を高めるために努力できる人が株式投資で勝ち続けられるのです。

セルフ・ハンディキャッピングに頼る人は上記の条件を満たしていないので、株式投資で勝ち続ける可能性は低いと言えるでしょう。

そもそも株式投資は「自ら不利な状況を作り出さない」というのが利益を上げるための重要な条件になります。セルフ・ハンディキャッピングは勝つための思考を放棄している行為であり、実に合理的ではありません。

合理的思考が必須になる株式投資において、セルフ・ハンディキャッピングという行為は大きな痛手になるでしょう。

セルフ・ハンディキャッピングのメリットは、「儲けたら自分のおかげ、負けたらハンデを背負っているせい」と考えられることです。(プライドが守れます)

たまたま株式投資で儲けた場合、「俺は個別銘柄の分析もしていないのに株式投資で儲けちゃった! 凄い!」という形で自分を称えることができます。

負けたときは、「ま、個別銘柄の分析もしてないから仕方ないよね」という一見真っ当に思える言い訳をすることができます。

しかし、失敗したときの逃げ道を作っておいても良いことは1つもありません。自分の自尊心を守ることはできますが、「お金を殖やす」という目標を達成していないのでどうあがいても負けなのです。

株式投資で負けた、という事実から目を背けるためにセルフ・ハンディキャッピングを利用するのは大変効果的です。しかし、事前に言い訳を用意する人は株式投資で勝ち続けることができないので、株を買う前に最善の努力を尽くすようにしましょう。


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