以下の質問メールを頂きました。
差出人: 橋本(本人のプライバシーを守るために仮名にしています)
題名: ご質問です。
メッセージ本文:
岡本さま
初めまして、橋本と申します。
この株式投資.jpに出会ってから、私の株式投資に対する考え方が
完全に変わり、私に合う投資方法を見つける事ができました。
ありがとうございます。
そして各銘柄の細かい分析を拝見して、自分自信でもなるべく
分析するように心がけるようになりましたし、
自分の好きな銘柄以外は購入しないようになりました。
ただまだ自信もなく、岡本様のご意見も伺いたいと思い
メールさせて頂きました。
三菱UFJフィナンシャルホールディングス(8306)
アニコムホールディングス(8715)
上記2銘柄について岡本様のご意見を参考に頂戴できないでしょうか?
三菱は比較的好きな会社で、株価を見ても割安性だと感じており、
安定した利益や配当も行っているようです。
が、人気がないのかあまり動きがなく、何故人気がないのか、不安になる事が
あります。
アニコムはペット保険の会社で、私もペットを飼っていて、保険の重要性を
知っているために成長性を重視して購入しましたが、こちらもあまり動きが無いため、
気になりかけております。
もし可能でしたら、お時間有る時にでも分析頂けますと幸いです。
今後ともよろしくお願い致します。
橋本様、初めまして。この度は株式投資.jpの感想と質問メールを送って頂きありがとうございます。
自分に合う投資スタイルを見つけたということですが、素晴らしいと思います。自分に適した投資スタイルを身に付ければ長期間株式投資で稼ぐことができるので、「一生個人で稼げる最強のスキル」を手に入れたのと同じです。
また、自分の好きな銘柄以外買わないというのも素晴らしいです。
私は割安で優良株だったら大して好きではない株も買っているのである意味矛盾したことを述べているのですが、多くの投資家は自分の好きな株を買った方が良いと思います。
自分が好きではない株を買うと、含み損を抱えたときに腹が立つからです。
株式投資で儲けるために重要となるのは「含み損を恐れない」ことです。自分の好きな株であれば多少の含み損を抱えても我慢することができるのです。
しかし、自分の好きではない株を買うと「もういいや、売ろう」という思考が先行するので私は多くの人に「自分の好きな株を買いましょう」と主張しています。
「好きじゃない株を買って含み損を抱えても気にしない」という人は好きじゃない株を買っても良いです。ただ、長期投資前提で株を保有するのであれば自分の好きな株を買った方が良いと思います。
これは「私が好きではない株を買って含み損を抱えた」ことから発する経験則です。今は好きではない株で含み損を抱えても何も感じなくなりましたが、含み損を気にする人は好きな株を買った方が精神衛生上良くなります。
いきなり長々と語ってしまいましたが、この記事では三菱UFJフィナンシャル・グループの解説をします。アニコムホールディングスは別記事で分析結果を載せさせていただきます。
【三菱UFJフィナンシャル・グループとは?】
三菱UFJフィナンシャル・グループは日本を代表する金融持株会社です。総合金融グループとして活躍しており、アメリカの名門モルガン・スタンレーに出費した経緯もあります。
個人のお客様に向けて資産運用セミナーを開催したり、保険業務を通じて保険商品を売ったり、金融商品の販売力に定評があります。国際的な知名度も高い三菱UFJフィナンシャル・グループは「金融商品を通じて利益を上げている」という特徴があるのです。
グローバル競争に打ち勝つ意欲が強い会社で、「グローバル企業として躍進するために財務基盤の構築すること」を公言しています。また、大躍進戦略を取るのではなく、「安定した持続的成長」を重視している点から安定株投資に向いている株になります。
【三菱UFJフィナンシャル・グループの財務分析】
三菱UFJフィナンシャル・グループは2011年から2013年にかけて安定した黒字経営を続けています。
2013年通期決算の経常収益は4兆7632億2500万円、業務純益は1兆5544億2100万円、経常利益は1兆3441億7600万円で前年度と比較して経常収益が落ちていますが、業務純利益は伸びています。
1株益は年々バラツキがありますが、強大な収益力は非常に魅力的です。
自己資本比率は5.1%でかなり低く財務面は優良だと言えません。
【私だったら三菱UFJフィナンシャル・グループ株はこう扱う】
三菱UFJフィナンシャル・グループは安定株投資に向いています。
橋本様のおっしゃるとおり安定した利益を維持しており、配当金も支払っている三菱UFJフィナンシャル・グループは普通に良い株だと思います。
現在の予想PERは9.3倍、実績PBRは0.72倍で割安性に長けているという意見も正しいです。
ただ、三菱UFJフィナンシャル・グループは成長性に期待する株ではないと思います。持続的発展を遂げているわけではありませんし、どちらかと言うと三菱UFJフィナンシャル・グループ株は「安定性」を評価した方が良いのです。
それと橋本様は「人気がない」ということを気にしていらっしゃるようですが、三菱UFJフィナンシャル・グループは物凄く人気がある株です。
株の人気を見極めたければ出来高を参照してください。
出来高が高ければ高いほど株の取引量が多いので、その分人気という証明になるのです。2014年2月21日の出来高は56,734,000株だったので、かなり取引されていることが分かります。
三菱UFJフィナンシャル・グループの値動きが緩いのは人気がないからではなく、元々そういう株だからです。
上記のチャートを見てください。
これは三菱UFJフィナンシャル・グループの過去3年間の推移を示したチャートになりますが、三菱UFJフィナンシャル・グループは「上がるときは急激に上がるけど、株価が停滞している時期が長い」ということが分かります。
つまり、株価が下がるときは急激に下がり、株価が上がるときは急激に上がる傾向があるのです。普段は株価が停滞していることが多いので、短期間で売却益を狙う投資には不向きです。
三菱UFJフィナンシャル・グループ株の結論ですが、「良い株であることは確かだけど成長性に期待できないのが難点」です。私だったら資産株や安定株目的で三菱UFJフィナンシャル・グループ株を保有します。
1番のネックは「下がるときは下がる」という特徴でしょうか。
投資は自己責任になりますので、参考程度にとどめていただけると幸いです。
三菱UFJフィナンシャル・グループはどう思う?
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