じげん(3679)っていう株、どう思いますか?

LINEで送る
Pocket

以下の質問メールを頂きました。

差出人: 中山(本人のプライバシーを守るために仮名にしています)
題名: 御礼

メッセージ本文:
こんにちは。
毎日コラムの更新を楽しみにしております。
今回は思いがけず、私の投稿に対して、お心遣いあふれる内容のコラムをありがとうございました。
一旦、すべてリセットしようかとも思ったのですが、もう少し耐えてみます(笑)
一番含み損が多いのは じげん です。
この銘柄、どう思われますか??1800円購入で今は1300円以下です。半分ロスカットしようかと思っております・・・決めるのは自分自身なのですが、ついつい掲示板などを見てしまい、切り返すんじゃないだろうか??との馬鹿げた期待をしてしまっています。
これからも、コラムの更新を楽しみにしております。

中山様、質問メールを送っていただきありがとうございます。こういうメールを送っていただけると記事を書くネタも増え、多くの投資家の役に立つことができるので大変ありがたいです。

なお、これから書く内容は投資判断の参考程度にとどめてください。

私が明確な売買指示を出してしまうと責任が取れませんし、法律的にグレーな部分があるので「私の独り言」だと思って聞いていただけると幸いです。

さて、じげん(3679)という株を知らない人が多いと思うので、簡単に解説させていただきます。

じげんは、2013年11月に東証マザーズ上場を果たした新しい会社です。2006年に創業したじげんは「インターネットビジネス」を通じて利益を上げているという特徴があります。


インターネットビジネス!

良いですねー。私はインターネットビジネスが大好きでございまして、特にIT企業のビジネスモデル分析を得意としています。

じげんは転職サイト(転職EX)やアルバイト情報サイト(アルバイトEX)などを運営して成果報酬型のビジネスモデルを築き、利益を得ています。

IT業界に詳しい人はこの時点でビビッとくると思います。「え!? 成果報酬型のポータルサイトを運営しているなんて、リブセンス (6054)と同じじゃん!」ということに。

リブセンスも成果報酬型のビジネスモデルを築いており、大規模な転職サイトを作って成果報酬型」の仕組みを利用して利益を上げているのです。東証1部上場企業のリブセンスと、東証マザーズ上場のじげん。資本力に優っているのは圧倒的に前者です。

しかし、じげんは素晴らしい特徴があるのです。

それは「競合を避けて、協力関係を築くビジネスを構築している」という点です。

じげんはリブセンスと張り合っているわけではありません。むしろリブセンスと協力して利益を得ているのがポイントです。じげんは「リブセンスやリクルートなどに多くの人を集め、ユーザーが登録行動を起こしたら利益を頂く」というビジネスモデルを築いているのです。

つまり、転職サイトを運営していてもリブセンスやリクルートと激突しているわけではないのですね。

むしろリブセンスと協力関係を築いているので、「両社の発展がお互いの成長に繋がるビジネス」を実行しているのが分かります。

もし、じげんがリクルートやリブセンスと直接ドンパチやりあっているビジネスを行なっていたらヤバいです。

じげんは東証1部上場企業と比較すると資本力で負けていますし、転職サイトは競合が激しいので直接戦うのは不利です。じげんもそこをしっかり理解しており、「転職サイトを運営している会社と上手く付き合って利益を上げる」というビジネスモデルを築いているのです。

つまり、じげんからすれば「リクルートやリブセンスはお客様」になるのです。

他の大手IT企業と手を取り合って儲けていきましょう、というビジネスモデルを築いているじげんは「経営戦略設定能力に優れている」と評価することができます。

・しかし、競合している一面も……。

これは少し専門的な話になるのですが、インターネットビジネスを手がけているじげんは他社と競合している面もあります。

それはSEO対策です。

SEO対策とは、「検索エンジン最適化」という意味になります。webサイトを運営している企業はSEO対策の成否が成果を決めると言っても過言ではありません。

要するに検索エンジンで自社サイトを上位に表示すればその分人が集まりやすくなるので、サイト運営で利益を得たければSEO対策が必須になるのです。


じげんは転職情報サイトを運営していますが、リブセンスやリクルートと「検索エンジン上で競合する」という弱点を抱えています。

例えば「転職 高給 営業」というキーワードで検索したときに、自社サイトができるだけ上位に表示されていた方が人を集めやすくなるのです。特にじげんのような「人を集めて成果を得る成果報酬型のビジネス」を行なっている会社はSEO対策が重要になります。

しかし、「転職 高給 営業」と検索したときにリブセンスや他企業の情報サイトが上位に表示されることがあります。そうなると「じげんの運営しているサイトを経由してユーザーがアクションを起こしていないため、じげんは利益を受け取れない」という問題を抱えているのがデメリットです。

他企業以上にSEO対策をバッチリ施されていると良いのですが、検索エンジン上でかち合うのは仕方がありません。幸いにもじげんの運営しているポータルサイトは情報量が多いのでSEO的に考えて有利という利点があります。

知らない人も多いと思うので詳しく解説しますが、SEO対策ってサイトの情報量が重要になるのですよ。

サイトは情報量に長けていればいるほど上位検索されやすいと思ってください。

じげんは「サイトの情報量が多い」という特徴があるため、SEO対策効果もバッチリです。

サイト運営で利益を出したければSEO対策を無視することはできないので、「SEO対策に有利なサイト作り」を実現している点は高く評価することができます。補足情報になりますが、私が株式投資.jpで莫大な記事を更新しているのもSEO効果を高めるという理由もあるのです。

【代表取締役社長の能力は?】

じげんのように発足して間もないベンチャー企業は社長の能力も分析しなければいけません。これはじげんに限った話ではありませんが、ベンチャー企業は社長の実力が業績に大きな影響を与えます。

社長が優秀であればトップダウン経営を決行して適切な経営戦略を練ることができます。

優秀な社長に率いられている会社は意思決定が早いという武器を持ち味にして戦えるので、社長の能力を分析しないでベンチャー企業の将来性を予測するのは困難です。

色々と語ってしまいましたが、じげん代表取締役社長の平尾丈は優秀だと思います。

会社を設立してから7年で上場を成し遂げたのは素晴らしいです。「転職サイトを運営している会社と直接戦わないビジネスモデル」を築いている点も良く、WINWINの関係を実現するビジネスを作った平尾氏は良い経営者です。

「世の中に価値を提供して持続的発展を目指す」と公言している平尾氏は、長期投資家と相性が良いことが分かります。決算を分析してもじげんは持続的成長を成し遂げています。

高校も進学校に在籍していた平尾氏は、地頭も相当良いと思います。

トップがバカだと会社経営は上手くいかないのですが、じげんは社長の能力が高いのがポイントです。

平尾氏の実績で1番気になったのは、「猛烈に働き続けることができる」という点です。1ヶ月の間に450時間働いた実績のある平尾氏は、事業に精を出すタイプだと分析しました。

「仕事を頑張る」というのは当たり前のことかもしれませんが、意外と重要なんですよ。

小さな会社ほど社長の能力に振り回されるので、平尾氏のように仕事熱心な社長は事業が伸びる可能性が高いです。

数多くのベンチャー企業を分析すると分かるのですが、「社長が仕事をサボっているのに会社が成長している」というケースをほとんど見たことがないです。同じIT業界に属しているLIGや面白法人カヤックも、社長が先頭に立って働き続けています。

【じげんの財務分析】

じげんは持続的成長を達成している成長企業です。

2009年の段階では2200万円しかなかった営業利益も、2013年通期決算で営業利益を5億9100万円に伸ばすことができました。

「持続的成長」をクリアしているのが最大のポイントです。

これが業績にバラつきのある株だったら問題なのですが、じげんはここ近年急激に成長を遂げているのが良いです。

2013年通期決算の売上高は11億7200万円、経常利益は5億9100万円、純利益は3億5600万円で増収・増益を達成しています。来期も増収が濃厚なじげんは「成長途中のベンチャー企業株」として評価することができるのです。

更に注目したいのが財務面です。

自己資本比率は77.2%。有利子負債額がゼロで、財務状態がめちゃくちゃ良いんですね。元々じげんの行なっているサイト運営ビジネスは経費が大してかからないので、「有利子負債を増やさなくても成長を遂げられる」のが高ポイントです。

勿論有利子負債を活用しまくって成長を遂げているIT企業も存在しますが、有利子負債がないのは良い意味で捉えるべきです。自己資本比率も高いので株を長期保有しても安心です。

【じげん株に向いている投資スタイル】

じげんは成長株投資を実行するのがお勧めです。

営業コストの低いビジネスモデル、優良な財務面、持続的成長を成し遂げている点などを総合的に分析すると成長株投資を実行するのが1番ぴったりきます。といいますか、成長株投資以外の戦略は当てはまらないと思います。

じげんは配当金を支払っていません。

私は配当金を支払っていない株を厳しく評価する傾向がありますが、じげんは別です。

むしろじげんはまだ配当金を払わない方が良いです。

「配当金が出ないと利益が受け取れなくて困る」という意見もありますが、じげんのように成長を続けている企業は無配当戦略を貫き、配当金を出さないで会社の成長にお金を使った方が良いのです。

無配主義を守ることによって会社の成長力が増し、業績拡大を達成するのが容易になります。じげんが配当金を払わないのは「会社の成長を重視しているから」です。

じげん株の最大の欠点は株価が割高なところです。

予想PERは125.96倍、実績PBRは74.94倍でびっくりするほど株価が高いです。割安株を求めている人にとってじげんは投資の対象外になります。

しかし、ここまでPER値が高いのは投資家の期待の表れになります。

「成長性に期待が持てるからPER値が100倍を超えている」のであって、割高な面よりも成長力を評価したくなる魅力がじげん株にはあるのです。

もし私がじげん株を購入して大きな含み損を抱えてしまった場合、採用する戦略は1つです。

「放置」です。

株価が向上するまで放置するのです。じげんの業績が毎年バラバラで継続的発展を期待できなければ損切りする選択肢もアリだと思うのですが、順調に成長しているのに損切りするのはかなり勿体無いと思います。

結局株価というものは会社の業績に合わせて連動するんですよ。

じげんがこのまま業績を伸ばし続けたらほぼ確実に株価は上がりますし、重要なのは含み損の額よりも将来性をどう評価するかです。

じげんは若手のサッカー選手と同じなんです。


成長力が著しく、代表クラスに選ばれる可能性のある若手の有望サッカー選手と同じだと思ってください。こういう株は短期的な利益を期待するのではなく、長期戦略を実践して将来の利益に備える必要があります。

若手サッカー選手と同じで、成長を待つ必要があるのです。

「すぐに利益を得る」というのは期待しない方が良いです。

私だったら、「会社が成長したら株価が上がるから、発展を待って後からがっぽり儲ける」というスタンスを貫いてじげんを長期保有します。東証1部に上場したら株価も急上昇する可能性もありますし、じげんは夢とロマンを追って長期保有する株だと分析しました。

会社のビジネスモデルに将来性を感じられない場合、損切りする選択もアリになります。この辺りの判断は投資家によって大きく異なると思います。


スポンサードリンク