栄光ある資本主義社会に称賛を!
資本主義社会というものは非常に不平等な社会であり、「資本家優遇の経済システム」を築いているのが資本主義社会の実態になります。
安く牛丼を食べることができるのは、なぜでしょうか?
人件費を極端なまでに削減し、効率性を意識した経営を行なっている企業が存在するから、私達は美味しくて安い牛丼をお腹いっぱい食べることができるのです。
外食店舗で美味しい料理が安く食べられるのはなぜでしょうか?
物流の効率が良いから?
そうですね、上場企業の中には生産・流通に徹底的にこだわって「安くて美味しい料理」を提供している会社が存在します。
エー・ピーカンパニー (3175)という会社は居酒屋『塚田農場』を経営しており、自社農場で地鶏を育成して生産・流通・販売を直結させて安くて美味しい地鶏をお客様に提供しています。
まあ、エー・ピーカンパニーは「自社農場でメインとなる食材」を生産してコストカットに成功している珍しい企業なのでそれは置いておいて、大抵の外食産業は違法労働を行なっているから安い料理をお客様に提供することができるのです。
外食産業で有名な残業代未払い問題。
外食業界だけに限った話ではありませんが、労働基準法をガン無視して社員に違法労働を課す会社はとても多いです。
「残業代なんて払わねえ!」を合言葉に、自社社員に対してサービス残業を課せる企業がとても多いのが日本の現状になります。
特に外食業界は「人件費を抑制しないと利益が出せない」ので、サービス残業という違法労働を強制化している企業がとても多いのですね。
そのお陰でお客様の立場である我々は安い値段で物を食べることができるのです。
牛丼は違法労働を課せられている社員の汗と涙の味がするのでしょうか?
あなたはチョコレートを食べたことがありますか?
良いですよね、チョコレート。私も食べたことがあります。
スーパーに行くとチョコレートが1個100円という破格の値段で売られています。とても美味しいチョコレートは日本のみならず、先進国民の愛用食として完全に普及している状態です。
世界には1億6800万人の子供たちが働かされており、労働力が安い子供たちは「安価に物を生産するために重要」として評価されています。
国際条約では15歳未満の子供たちに対して労働させるのは禁止と記載されています。
チョコレートと言えばカカオ。
カカオと言えばコートジボワールが有名で、コートジボワールはカカオ生産で全世界の43%の生産量を発揮しているカカオ大国です。
IITA(国際熱帯農業研究所)の調査によると、コートジボワールだけで約13万人の子供が労働に従事しているという実態が判明しています。カカオ農園は家族経営が多く、西アフリカのカカオ農園で働く64%の子供が14歳以下というデータも存在します。
ソース http://www.iita.org/
2002年のデータなのでかなり古いのですが、現在も児童労働問題は解決していません。
カカオ農園の経営者が児童労働力を求めるのは「安価な労働力確保」を目的にしているからです。
カカオ農園で働く子供が親戚であったり、カカオ農園を経営している家族の子供だったりすることも多々あるのですが、1万2千人の子供が「農園経営者の家族や親戚ではない子供」であったという実態が存在します。
日本では大人に対する「サービス残業問題」が発生しており、本来払うべき労働賃金を支払わずに「タダ働き」を強要して労働力を搾取している現状が存在します。
一方、アフリカの一部の地域では児童労働は根強く残っており、「児童労働という安価な労働力を確保しているからカカオを安く生産することができ、先進国に住む私達はチョコレートを安く買えることができる」のです。
チョコレートの味は甘いです。
児童労働を経て生み出されたチョコレートは、果たして本当に甘いのでしょうか。
日本にはバレンタインデーという習慣があります。バレンタインデーはお菓子業界に属している企業がメインとする「稼ぎ時」であり、バレンタイン商戦として日本中でチョコレートの需要が高まります。
良いですよね! バレンタイン!
私もチョコレートを貰ったことがあります。
わざわざ市販で売っているチョコレートを溶かして訳の分からないトッピングを付与して、市販チョコより明らかに不味い手作りチョコレートを受け取ったときは「ありがとう!」と強く感謝したくなります。
バレンタインは菓子業界が利益を上げるために必要なイベントであり、そのイベントに乗せられた人々が「恋人との愛を発展させる」という名目でチョコレートを大量に購入します。
チョコレートというものは何度も言うとおり、「アフリカの人々が汗水垂らして安い賃金で働いてくれるから安く買える」のであり、そのことをほとんど意識しないで先進国の人々はバレンタインデーを楽しむのです。
バレンタインデーを楽しむのに「アフリカの児童労働から生まれたチョコレート」について考えるのは無粋というものでしょう。
純粋にイベントを楽しみたいのであれば、そんなことを意識する必要はないのです。
美味しいチョコレートを買い、チョコレートを異性にプレゼントして何も考えずにバレンタインデーを楽しめば良いのです。
児童労働をなくすための取り組みとして「フェアトレード」という制度が存在します。
フェアトレードとは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で購入する制度であり、一言で言ってしまえば「フェアトレード商品は高い」のです。
カカオもフェアトレード商品の対象になっていますが、結局フェアトレードというものは「人間の善意」を前提に成り立っている制度になるため、「より安い物を求める」というニーズを満たすことはできません。
人間が全て「コストが高くても良いから、生産者を保護したい」と考えているわけではありません。生産者の都合なんかどうでも良く、自分が安い物を買うことを望む人は多々いらっしゃいます。それ自体は全く悪いことではありません。
結局、フェアトレードというものは「人間の善意」に頼っている部分が強いため、資本主義社会でフェアトレードが主流化するのは厳しいと思っています。
結局、「人件費を削減して物を安く生産する」というのも、「安い商品」にニーズが存在しているから不正労働もなくならないのであって、価格競争で優位に立ちたければある程度の違法労働も仕方ないと考える経営者も多いのです。
日本にブラック企業が存在するのも「ブラック化しないと利益が出せない」という実態が解消できないのが理由であり、児童労働に関しても「子供を利用して生産コストを下げないと同業者に太刀打ちできない」という現状を変えなければ根本的解決にはならないと思っています。
資本主義社会そのものが不公平である事実は拒めません。
しかし、投資家という立場の「資本家」は資本主義社会の恩恵を受けることができる立場です。
資本主義社会は自由が保証されている素晴らしい社会であることは間違いありませんが、一方で負の面も強烈に見えている古臭い社会体制です。
既に使い古されている資本主義社会ですが、我々は未だに資本主義社会の中で生きています。
資本が資本を生み出し、富む者はますます富み、弱者の労働力を搾取して利益を上げるのが本当に健全な社会か考えなくてはいけません。
違法労働に感謝!? お陰で物が安く買える
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