あかつきフィナンシャルグループ (8737)がプロスペクトのTOBに応募しないと発表

LINEで送る
Pocket

あかつきフィナンシャルグループ (8737)がプロスペクトのTOBに応募しないと発表しました。

1.当社方針
当社は、保有する豊商事株式会社(以下「豊商事」といいます。)の普通株式 1,793,000
株(豊商事の発行済株式総数の 20.15%。小数点以下第三位を四捨五入しております。)について、今回の株式会社プロスペクト(以下「プロスペクト」といいます。)による豊商事株
式に対する買付け価格 1 株当たり 400 円、買付予定株式数 4,538,000 株(発行済株式数の 51%)を買付け条件とする公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)には応募せず、保有を継続いたします。

出典 持分法適用会社である豊商事株式会社に対する公開買付けについて(開示事項の経過)

あかつきのIRをよく見れば分かるのですが、「TOBには応募せず、豊商事の保有を継続する」と公表しています。この方針理由は至って単純で、「本公開買い付けにおける買付け価格は著しく低い」という理由と、豊商事と協力することによって大きな価値が見込めるというのがTOBに応募しないという理由になります。

つまり、TOB価格の引き上げを行わなければあかつきや豊商事から反対された状態が続くものと見込むことができ、裏を返せば「TOB価格引き上げの条件」は揃ったと解釈することができます。

プロスペクトが本気でTOBを行うのであればTOB価格の引き上げのIRを出すでしょう。

しかし、これは「本気でTOBを行う説」を信じていたらの話で、もう1つの説である「そもそもプロスペクトは最初からTOBを本気で仕掛けたわけではなかった」という説も忘れることはできません。

一応後者の説も筋は通っているのです。

プロスペクトは立花証券を通じて豊商事の株を応募しようと試みていますが、普通に考えて立花証券に口座を開設している人は非常に少なく、立花証券に指定した意図が分かりません。最初からTOBを本気でやるわけではないから立花証券にしたという説も通じます。

本気でもないのにTOBを仕掛けたのは「新株をさばくため」という説も通用するのです。確かにPAMIは豊商事の株を一部売却しており、それによって利益を得たものだと推測することができます。利益を得るためにTOBを餌にして新株を捌くという見方も筋が通っているのは間違いのない事実です。

しかし、そうだとしたらなぜ3800万株以上の新株を残しているのかが疑問になります。

今回豊商事のTOBが失敗したと仮定し、新たにTOBを宣言してもプロスペクトに期待する人は非常に少なくなると推測されるため、株価の上昇も限定的になるでしょう。それなのにも関わらず3800万以上の新株を残していることを見ると、「TOBを最初からやる気ではなかった」という説は疑問が残ります。

TOBプロレス説を加味して考えると、今回豊商事やあかつきから反対されたことにより、TOB価格の引き上げは成し遂げなければいけない要素になりました。

しかし、プロスペクトが本当に何も考えないで行動し、元々本気でTOBをするつもりがないのであれば、TOB価格の引き上げには応じないでしょう。

TOB価格の引き上げも重要ですが、あかつきが出したこの文面も意識しなければいけません。

>(2)当社の証券事業子会社と豊商事の業務提携により当社にもたらされる価値
当社証券子会社は豊商事と証券媒介における業務提携を開始しております。この業務提携
は、資本提携関係がなくなった場合には影響を受け得るものである為、今回の豊商事との協議を通じて、その将来価値についての分析検討を行ってまいりました。具体的には、3 年後の預かり資産 6,500 百万円、稼働顧客口座 4,000 口座、当社への営業収益貢献として 100 百万円程度を、相互の協力を通じて実現させていくことを目標としており、当社にとっての大きな価値が見込めるものと考えております。

出典 持分法適用会社である豊商事株式会社に対する公開買付けについて(開示事項の経過)

あかつきが主張しているのは価値。つまり、プロスペクトが提示した400円のTOBに応募することよりも、「豊商事と協力した方が価値がある」としっかり述べているのです。

逆に言えばプロスペクトがこのTOBを成功させたければ、あかつきが述べた意見を上回る価値を用意しなければいけません。特に「3 年後の預かり資産 6,500 百万円、稼働顧客口座 4,000 口座、当社への営業収益貢献として 100 百万円程度」という文面をクリアできるかが問題になります。

はっきり言ってしまえばあかつきは、「プロスペクトよりも豊商事の方が価値がある」と公言しているのと同じなのです。

この状況を理解した上で「ああ、そうですか、残念です」と諦めるか、今のままだとTOB失敗は濃厚と見て、TOB価格を引き上げ、新たな価値を提供するか否かが問題点になります。

一応、これでTOB価格引き上げの条件は揃いました。

新株も3800万株以上残っている。新株をさばいて大きな資金を手にしたければ株価を上げることは必須……。しかし、このままだとTOB成功は難しいというのがプロスペクトの現状です。

従って、プロスペクトが本気でTOBを実現させるつもりがあるのであれば、TOB価格の引き上げや新たな価値を提示することが濃厚だと予測することができますが、そもそも「最初からプロスペクトが暴走しただけのTOB」であればもう何も語れることはありません。

ただの暴走で話がついてしまうからです。

出来高の低い豊商事の株を長期間集め続け、その結果餌のTOBで売却益を得る。こういう展開も確かに考えられますが、労力の割にはリターンが少ないという印象を受けます。更に言えばそういう風に最初からやる気がなかったのであれば、5000万株の新株を迅速に全て捌ききるという手段を取るのが普通ではないでしょうか。

現状を見ると今は間違いなく、プロスペクトにとって逆風が訪れています。これがプロレスだったら別にどうでも良いことなのですが、TOBが本気か否かということを知りたければ「TOB価格引き上げに応じるか否か」という点が重要になると考えています。


スポンサードリンク