「築地銀だこ」を展開するホットランドが東証マザーズに上場!

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ホットランドが9月30日に東証マザーズに上場することが決まりました。


ホットランドという会社は「築地銀だこ」というチェーン店を展開するビジネスを行なっており、付加価値の高いたこ焼き販売で利益を得ているのが長所です。

築地銀だこのたこ焼きは「皮はパリッ・中はトロッ・タコはプリッ」という3つの特徴を重視しており、「たこ焼きを実演販売してお客様の購入意欲を高め、本当に美味しいたこ焼きを提供する」のが強みになります。

「絶対に美味いたこ焼き」をメインテーマに掲げている築地銀だこは、「たこ焼きの質の高さ」で勝負しています。

私も築地銀だこのたこ焼きを食べたことがあるのですが、確かに美味しかったです。

しかし、たこ焼き8個で税込み550円という価格設定はかなり強気であり、「薄利多売」のビジネスを行なっていないのがホットランドの強みだと思っています。

外食業界の現状を分析すると、「低価格の薄利多売路線」を推し進めてきた会社の大半が業績不振に悩んでいます。

 

薄利多売という強者の戦略を採用するのではなく、「付加価値の高いたこ焼きを提供し、値段ではなく質の高さで勝負する方針」を貫いているのは真に良策だと思っています。

 

結局、薄利多売戦略というものは「価格競争が激しくなると利益を出すのが難しくなる」ため、企業が安易に採用しちゃいけない戦略になるんです。

牛丼業界は安売り競争が過熱化してどの会社も利益を上げるのが難しくなっており、現にゼンショーホールディングスは15年3月期第1四半期連結で赤字を出しました。

その点、ホットランドは「高単価たこ焼き」で勝負しているので経営戦略上、かなり良い経営を行なっていると解釈することができます。たこ焼きが高価格路線であることは拒めませんが、多くの人から愛食されているので銀だこファンも多いです。

特に良いと感じるのは実演販売です。


たこ焼きというものは、「実演を通じて出来たてを食べたい」というニーズが多く存在するものです。

お祭りの屋台でもたこ焼きが売れられることは多々ありますが、お祭りのたこ焼きが売れるのは「実演販売を通じて購入者の食欲をそそる」という効果を発揮しているからです。

たこ焼きがホットランドの武器となっているため、たこ焼きの質には徹底的にこだわっています。既に築地銀だこはブランド化に成功しており、「少し高いけど美味しい」というブランドが定着しているから良好な売上を保つことができていると分析しています。

銀だこハイボール横丁や宅配銀だこ、銀だこカフェなども運営しており、「築地銀だこ」という主要ブランドを活用して様々な外食ビジネスに乗り出しているのがポイントです。

ホットランドの最大の弱点は「タコの仕入れ値の変動」です。

世界中から原料となるタコを輸入しているホットランドですが、タコの仕入れ値が向上すると企業利益に大きなダメージを受ける可能性が高いです。

要するにホットランドは「原料の輸入額変動リスク」を保持しているため、安定成長を期待するのは少々酷です。

いくら店舗を拡大してもタコの輸入額が向上すれば利益額が低下する可能性が浮上します。

 

これはデータにも現れており、店舗数は持続的に増加していますが、経常利益は毎年バラつきが生じています。

元々のビジネスモデル自体が「安定成長」に適しておらず、競争の激しい外食産業に属しているので成長力に期待する投資を行なうのは少々疑問に感じます。

そもそもホットランドは「国内外で400店舗を運営する日本一のたこ焼きチェーンに成長した」と誇らしく語っていますが、私はたこ焼きという商品のみでグローバル経営が実現できると思っていません。

タコというのは欧州では非常に気味悪がられており、「タコのような気持ち悪い食品を食べるなんてありえない」とよく言われています。アメリカ人のタコの嫌悪率は大変高く、「たこ焼きビジネスでアメリカ進出」を図るのはかなり厳しいのではないかと分析しています。

 

日本や近隣諸国であれば「タコを気持ち悪がる文化」がないのでビジネス展開も容易であると考えられますが、さすがにタコをイギリスやアメリカ、ドイツなどで定着させるのはかなり根気がいることを覚悟しなければいけません。(最近は日本食ブームでタコが食べられる機会も増えてきましたが)

 

スペイン、イタリア、ギリシア、フランスなどではタコが食べられることも多いのですが、タコを食べる文化が定着していれば「たこ焼きが流行る」かはまた別問題で、たこ焼きビジネスを行なっている時点でどうしても市場のパイが狭いことを理解しなければいけません。


まー例えばサソリの唐揚げの販売しているタイ企業があったとして、そのタイ企業が日本に「サソリの唐揚げを売る専門店」を展開したところで、流行るかどうかっていう話なんですよ。

 

物珍しさで売れる可能性はありますが、サソリを食べることが日常化するとは思えません。食文化の違いは大きな壁になるのです。

「タコは美味しいし、たこ焼きの魅力を理解してくれれば海外でも利益を出せるよ!」と考えている人間は、もう少し他国の文化も意識した上で物事を語った方が良いと思います。

美味しい物が売れるとは限らないんです。

例えば塩辛をヨーロッパで流行らせることができますか?

長期的にグローバル展開を成し遂げたければ、ホットランド「アメリカやヨーロッパ向けのビジネスで、タコを使わないたこ焼き」を新規開発して海外展開を果たすのが良策になります。

また、グローバル経営を強く意識しているホットランドは国内展開において「海外ブランドを積極的に導入する策」を実施している状態です。米国のアイスクリームチェーンやプレミアムコーヒーチェーンなどを国内展開し、「銀だこ依存」から抜け出す姿勢を保っています。

 

出店の中心となっているのは関東。

関東エリアでは銀だこを198店出しているのに対し、近畿・中国エリアでは銀だこは42店舗しかありません。

関西ではたこ焼き文化が完全に定着していますが、「安くて美味いたこ焼き」を求めるお客様が多いので、高級路線をひた走る銀だこが関西地域で受け入れられるか疑問の声も上がっています。

 

経営戦略について分析するのはこの程度にして、ホットランドの株について解説させて頂きます。

先程も述べた通り、「店舗数は年々上昇しているものの、利益額にバラつきが生じている」のが難点です。

単品力に強い「築地銀だこ」は本当に優れた武器になりますが、タコという商品の特性上、「不漁や円安の効果を受けると現在価格が向上し、適正な利益を出しにくくなる」のが難点です。

この輸入リスクはホットランドが今後も頭を悩ます問題になります。

デフレが進めば「高級志向のお客様が減り、低価格路線にシフトするお客様が増える」ので、銀だこの売上が落ちるリスクも無視することもできません。

ホットランドの価値を高めるのは株主優待の存在です。

もし、ホットランドが魅力的な株主優待制度を取り入れれば、個人投資家の増加を受けて株価も向上することが予測されます。

 

1単元につき銀だこ1パック無料プレゼントという株主優待制度(または自社で使用できる商品券)を導入し、個人投資家の定着を図るのが良策であると思います。

 

新規上場時は株価が大きく変動しやすく、上場したてのホットランドを長期投資するのは疑問です。利益面の持続的成長力も乏しいので、「ホットランドは魅力的な株主優待を実施すれば化ける株」になります。

成長性に関してはそこまで過度に評価することはできません。

 

黒字経営を保っているので悪い会社ではないのですが、為替リスクやタコ輸入額の問題という「解決するのが難しい課題」を背負っているので安定成長を期待するのは酷です。

 

ホットランドは今後の動向に注目したい面白い企業になります。


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