東宝不動産裁判、実質的に少数株主側の敗北か

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沢山の投資家が注目していた東宝不動産裁判は、「東宝不動産株式取得価格申し立て事件」として835円になったと山口三尊氏が発表しました。

ソース 東宝不動産、決定は835円。

元々東宝不動産裁判は純資産額で株価を決めるか否かが問題となっており、今回の835円は純資産を明確に示している株価だとは言えません。山口氏は当初、「1200円だったら東宝不動産の株を買う」と述べており、今回の835円という金額に失望しているのも無理がないと言えるでしょう。


出典 www.kabueye.com

山口氏を代表とした少数株主側の目的はTOB価格の引き上げであり、結果的に735円のTOB価格から835円に引き上げられたので目標は達成されたと捉えることもできますが、それでも835円という価格は「予想以上に低い値段だった」と捉えるのが普通ではないでしょうか。

>投資ファンド、プロスペクトは「1年前ですら実質的な1株純資産が1500円ある。この1年で不動産価格は上昇しており、納税分を考慮しなければ2000円以上になる」と主張している。

出典 http://biz-journal.jp/2013/03/post_1632.html

山口氏も東宝不動産の株価は1200円でも安いと述べていた立場であるため、今回の835円という価格に納得できるわけがないでしょう。

純資産額を大幅に下回っている835円という株価は、山口氏の主張する意見が通った結果とは言えません。そのため、東宝不動産裁判はTOB価格の引き上げという目標は達成されたのですが、その達成目標額が予想以上に低かったと判断するのが少数株主側の本音ではないでしょうか。

 

>10年3月期決算から「賃貸等不動産の時価」が開示されるようになった。時価と簿価の差額が含み利益となる。

東宝不動産(決算期は2月)の12年2月期決算時点の買い付け総額時価は686億円。簿価との差額、つまり含み益は447億円ある。含み資産を加算すると1株当たりの純資産は1500円。TOB価格の735円は、その半値だ。「不当に安い」と主張する側にも、それなりの根拠があるということになる。

出典 http://biz-journal.jp/2013/03/post_1632.html

「不当に安い」をテーマに行われた東宝不動産株式取得価格申し立て事件。

純資産額を考慮しないように見える835円という株価は完全勝利を掲げられるものではありません。

しかし、別の見方をすることも可能です。


上記のチャートを見ても分かる通り、東宝不動産はTOB開始時の2013年1月9日以降、株価が835円以上になった期間は少ないものだと分析することができます(一時期株価の高騰が発生し、835円以上を推移しています)。

そのため、835円以下で株を取得した人は835円という株価でも損はないことが分かります。

プロスペクト・アセット・マネジメント・インクも東宝不動産の大量報告書を提出したことがあります。TOB価格が引き上げられたから勝ちだと考えるか、プロスペクトが述べていた「1年前ですら実質的な1株純資産が1500円ある。納税分を考慮しなければ2000円以上になる」という主張と大きく離れた835円の価格を負けだと考えるか、そこが判断の難しいところです。

いずれにせよ、今回の東宝不動産株式取得価格申し立て事件は少数株主の意向に沿ったとは言えない結果が出ています。

最後に私個人の意見を申し上げると、「純資産で株価を決めていない結果が出たのは残念だけど、835円に引き上げという形になったのは良かった」というのが本音になります

勝利か否かと言われれば勝利というのは難しい(少数株主の意見が反映されているとは思えない)結果だと捉えていますが、とりあえずTOB価格を引き上げできたのは良しと言ったところでしょうか。

人によって大きく捉え方が変わりそうな今回の東宝不動産株式取得価格申し立て事件。プレミアムを期待していた人からすれば非常に残念な結果になってしまったのは間違いありません。

追記

今回のTOB価格の変更は過去の事例から見ると異例であり、その点を踏まえて考えても人によって捉え方が異なる難しい結果と言えそうです。


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