エンジェル投資家

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エンジェル投資家とは、「まだ上場していないベンチャー企業に対して投資する人」のことを指します。


スタートアップ時に資金が足りない場合、第三者の人間が「資金提供する代わりに株を買う」のがエンジェル投資家になります。

スタートアップ時に限らず、まだ上場していないベンチャー企業に対して投資を行なうのもエンジェル投資家になります。

エンジェル投資家に関して知ってほしいことが山ほどあるので、2つの視点からエンジェル投資家について解説させて頂きます。

 

【経営者側の視点で考えたエンジェル投資家】

私もビジネスを行なっているのではっきりと断言しますが、エンジェル投資家ほど理想的な存在はいないと思っています。

エンジェル投資家は「いつ死ぬか分からないベンチャー企業の株を買ってくれる人」なので、経営者から見たらとてもありがたい存在です。

株を売却することによって自分の権限は低下しますが、そもそも50%以上の自社株を売却しなければ会社を乗っ取られる心配はないので安心してください。

そのため、エンジェル投資家に自社株を売却するときは「会社が乗っ取られない範囲」で株を売るのがお勧めです。

はい、ここまでは理想論です。

ここから現実的な話をします。

まず、日本でエンジェル投資家に投資して貰えることはほとんどありません。投資先進国のアメリカでは「将来有望な会社に対し、エンジェル投資家が資金援助(技術援助)する」ことはたまにありますが、日本ではほとんどありえません。

そのため、起業するのであれば「エンジェル投資家に支援して貰うことを求めないビジネス」を実行するのが1番良いのです。

そもそもエンジェル投資家の存在自体が理想論に近いのです。

エンジェル投資家の立場になって考えて欲しいのですが、どこの誰かも分からない人間に対し、「こういう事業を始めたいから株を買ってください!」と頼まれたときに株を買いたいと思いますか?

未上場企業の株は一度買ったら、その会社が上場しない限り売却することができないです。

それは買い手がつかないからであり、未上場企業の株を買ったら必然的に長期投資を実行するしかないのです。

未上場企業が大きくなればそれはもう、ボロ儲けすることができますが、ベンチャー企業の90%が3年以内に倒産している事実を分析すると「エンジェル投資家」になるのはかなりリスクが高いのです。

そのため、経営者の立場でエンジェル投資家に出資して貰おうとするのは、かなり現実が見えていないなと思います。

 

参考までに解説しますが、日本では年間のベンチャー投資額が1000億円です。アメリカのベンチャー投資額は2兆円で、エンジェル投資家も含めると約5兆円になります。圧倒的にアメリカの方がエンジェル投資の文化が根付いているのです。


私の場合、「エンジェル投資家に支援して貰うことを目的にしないで小資本のビジネスを立ち上げる」のが成功しやすい経営者だと考えており、「最初からエンジェル投資家頼みの経営」を行なうのはダメだと思っています。

経営者にとって重要な能力は「自分で決める力」です。

最初から他者に依存したがる人間が、本当に経営者としての素質があるのでしょうか? 様々な人から協力を得るのは本当に大切ですが、「依存」するのはダメなんです。

また、経営者の立場から考えると「本当に将来有望なビジネス」なら、逆に自社株を売りたいと思いません。

ビジネス自体が有望ならスタートアップ時に資金調達するのではなく、事業を発展させて後に大きな利益を得れば良いからです。(IPOができたら最高ですね!)

そのため、「経営者の立場で自社株を買ってください」と頼むのは本当に事業に将来性があるのか疑問符がつきます。

 

最初から資本がかかるビジネスを行なうこと自体リスクが高いですし、エンジェル投資家は失敗する可能性の高い会社に投資したくないのです。

イチかバチかの大当たりを期待するエンジェル投資家も存在しますが、大抵の場合人間の防衛本能が働くので「失敗する可能性が低いビジネス」に投資したいと望みます。

もし、ベンチャー企業で「小資本で始めることができ、差別化に成功しており、ビジネスチャンスも大きい」という特徴があるのであれば、エンジェル投資家は自ら投資したいと言ってくれます。

ただ、そのようなビジネスモデルを築いている会社は「将来性がかなり高い」ので、スタートアップ時に自社株を売りたいと考えないのです。

そのため、将来有望な会社がエンジェル投資家に出費して貰うときは「経営や技術的にメリットがある場合に限り、株を売却する」のが1番良いと思います。

例えば営業力があっても技術力がないベンチャー企業があったとします。

この営業力のある会社に対し、技術力のあるIT企業の社長が「あなたの会社の株を買いたい」と申し込んできたとします。そして共同でビジネスを行ない、お互いに会社を発展させるという戦略を提案してきたと仮定します。

 

この場合、自社株をある程度売却した方が良いです。

株を売却して技術援助を受け、お互いに利益が得られるビジネスを行えるのであれば「株を保有して貰い、経営に関してアドバイスを受ける」のは良策になるからです。

自社株を保有して貰うことによって技術支援・金銭支援が積極的になるパターンも多いので、その会社と組んでシナジー効果が発揮されるのであればエンジェル投資を受け入れるべきです。

ただ、そんなケースは本当に稀で、大抵の場合エンジェル投資家が現れることはありません。

だから私は「エンジェル投資家頼りの経営を実行するのは止めましょう」と主張しているのです。

 

【エンジェル投資家の立場で考えた場合】

エンジェル投資という文化が日本に根付けば、日本はもっと起業する人が増えて良いと思うのですが現状を分析するとかなり厳しいです。

先ほども申し上げた通り、エンジェル投資を実行するのはかなりリスクが高いです。

何しろ未上場企業の株を買うのですから、「1度株を買ったらほぼ確実に売れない」ことを覚悟するべきです。

そのため、メインになる収入は配当金です。


配当金を支払う会社に投資するなら良いのですが、「そもそも配当金を払いたければ会社自体が利益を出していなければいけない」ため、黒字経営が濃厚な会社に投資するのが肝心です。

ベンチャーで将来が有望で、長年黒字経営を継続することが濃厚な会社なんてほとんどないですよ。

ストック型のビジネスモデルを確立し、差別化に成功しており、市場ニーズも大きいジャンルに参入している企業ならエンジェル投資を実行しても良いです。

ただ、そんな会社の経営者に巡りあうこと自体が稀です。

そもそもビジネスモデル自体が優秀な会社は「自社株を手放すのを拒む(後の発展を見込んで大きな利益を得ることを目的にする)」のが普通なので、エンジェル投資家が金銭以外のメリットを提示しないと株を購入するのも難しいのです。

自分から「株を買ってください!」と名乗り出る経営者を信じることができますか?

お互いに信頼関係が築かれており、金銭以外の支援を行えるのであればエンジェル投資は成功する可能性があります。

要するに資金提供だけをするのではなく、「技術支援も含めて会社をサポートする」のが理想なのですね。

「この商品が開発したら絶対に当たる! だから資金援助したいというケースの場合、エンジェル投資を行なっても良いでしょう。

ただ、自社商品がヒットするか否かは不透明なので「よほど優れたサービスを提供しようとしている会社」でないと、エンジェル投資で儲けるのは厳しいです。

エンジェル投資家になって大儲けするのが投資家の理想です。

しかし、エンジェル投資は「滅茶苦茶リスクが高く、その代わりハイリターンが得られる」のが常となるので日本でエンジェル投資家が増える可能性は低いのです。

もし、あなたがエンジェル投資に興味があるのであれば、「経営者を信じることができ、ビジネスモデルが有望な会社」の株を買ってください。

技術支援や経営アドバイスを行えるのであれば尚更グッドです。

エンジェル投資家は「共に会社を発展させる姿勢」が重要になるのです。


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