借金を返済しない孫正義氏は偉大なる「嘘つき」なのか

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「成功者ほど自分の述べた意見を無視した行動を取ることが多い」ということをご存知でしょうか?

理想を言えば自分の言動を貫き、言ったことは必ず行うのが良いのですが、状況や環境が変わってしまうと昔立てた戦略が通用しなくなることが多々あります。優秀な経営者は方針転換するのがとても上手であるため、結果的に嘘つきになってしまうことがあるのです。

しかし、結果を見たら嘘つきという評価を下すことができますが、良い意味で言えば「上手に方針転換した」と捉えることが可能です。ソフトバンク(9984)を率いている孫正義氏も偉大なる経営者の1人です。

孫さんは2009年に「キャッシュフロー経営」をアピールし、株主の前で堂々と「2014年には有利子負債をゼロにする」と公言しました。


出典 www.sv15.com

2009年のソフトバンクの有利子負債は1兆9395億円だったのですが、現在は8兆7000億程度の有利子負債が存在します。

そう、孫さんは有利子負債をゼロにするという言葉を全く守っておらず、それどころか有利子負債額を大幅に増やしているのです。

>孫社長は30日に行った決算説明会で、“残存イメージ”という言葉を多用した。その1つである同社に対する「借金経営」というイメージについては、「キャッシュフロー経営」というスタンスを改めて紹介し、「新たなイメージでとらえていただきたい」と訴えた。

 2007年度にはフリーキャッシュフロー(営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計)が1642億円のマイナスだったのが、2008年度は1815億円のプラスに転じたことを説明。さらに2009年度は2500億円になるとの予想を示し、2009年度から2011年度までの3年間でフリーキャッシュフローを1兆円前後にするとした。

 有利子負債については2009年3月末で1兆9395億円あるが、孫社長は、これを2年後の2011年度に半減、5年後の2014年度にゼロにすることを公言。「ソフトバンクは経営が荒っぽい、借金過多だという“残存イメージ”が数年たつと解消する時代がくるだろう」とした。なお、純有利子負債ゼロを達成するまでは、数百億円規模になる大規模投資は行わないことも明言した。

 日本テレコムの買収やブロードバンドインフラ事業の展開などで失敗したとの“残存イメージ”に対しても、これらを合わせたソフトバンクの固定事業はここ数年は営業黒字を達成しており、2008年度は合計700億円近くの営業利益を出したと説明。「固定事業は赤字のイメージがある中で利益は好転しており、あと数年で営業利益1000億円に乗る」と反論した。

出典 ソフトバンク、5年後に純有利子負債ゼロ公言


上記の発言を見ても分かる通り、孫さんは結果的に嘘をついていたことが分かります。しかしながら私は孫さんの戦略、プランを責めるつもりは全くなく、孫さんは良い意味で「偉大なる嘘つき」だと分析しています。

あなたもご存知の通り、ソフトバンクは過度な借入を行って多くの企業を買収し、売上高や営業利益を高め続ける戦略を貫いてきました。2009年の段階では「有利子負債をゼロにする」という目標を掲げていたのですが、成長戦略を成し遂げるために前言撤回して借金を活用して事業規模を拡大する戦略を取ったのでしょう。

これが悪いことだとは全く思っていません。

上手くいったという結果論もありますが、孫さんのように自分の言動に縛られず、環境を見据えて最適な経営戦略を実践する経営者は優秀だと思っているからです。

外から見たら孫さんはただの大嘘つきのように見えますが、経営環境は随時変化していくので過去の自分の発言に縛られて有効策を打たない方が問題だと思うのです。

確かに、結果だけを見たら孫さんは大嘘つきでしょう

しかし、前言撤回した戦略を実践したことによってソフトバンクが驚異的な成長を成し遂げたのも事実であり、「経営環境を分析して戦略を変える孫さん」はやはり日本を代表する超1流の経営者だと思うわけです。

人間は誰もが過去の発言を守るわけではありません。結果的に嘘をついたことになってしまったとしても、それが環境の変化だったら仕方ないという部分もあるのです。

嘘つきというと言葉が悪いかもしれませんが、孫さんは状況に応じて戦略を流動的に変える偉大なる嘘つきです。過去の発言にとらわれず、最適な戦略を実践していく孫さんは今後の活躍も期待したい経営者の1人です。


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